レーシックを考えたとき、一番最初に引っかかるのが「結局、いくらかかるの?」という疑問ではないでしょうか。
電車やネットで「7万円〜」という広告を見て「お、これなら!」と思ったのに、口コミを検索すると「30万円請求された」なんて話が出てくる。
これでは「騙されるんじゃないか」と怖くなってしまうのも無理はありません。
正直にお伝えします。
今の日本で、安心して受けられるレーシックの相場は、両眼で20万円〜40万円がリアルなラインです。
あの魅力的な最安値は、古い機器を使うプランなど「かなり限定的な条件」での価格であることがほとんど。
実際には、乱視の矯正やオプション費用が積み重なり、見積もりが高くなるケースが大半なのです。
この記事では、多くの医療現場を取材してきた医療ライターの視点で、この「分かりにくい価格のカラクリ」を徹底的に分解しました。
今回は精神科専門医の尾内隆志先生にも監修に入っていただき、「金額への不安をなくし、心から納得して手術を決める」ための判断材料をお届けします。
- なぜ値段が違う?プラン別・術式別の相場と技術的な理由
- 「え、それ別料金?」乱視・老眼・検査代などの隠れコスト
- 知っている人だけが得をする、医療費控除で数万円取り戻すテクニック
レーシック費用の相場と「価格のカラクリ」を可視化

レーシックの費用についてインターネットで検索すると、クリニックによって価格に大きな開きがあることに気づくでしょう。
あるクリニックでは「7万円」と謳い、別のクリニックでは「40万円」と提示されています。
この数倍にも及ぶ価格差は、単なる企業の利益率の違いだけではなく、提供される医療サービスの「質」や「スペック」の違いが大きく関係しています。
エンジニアの方がPCを選ぶ際に、CPUの世代やメモリ容量、サポート体制によって価格が変わることを理解しているように、レーシックにも明確なスペック差が存在します。
ここでは、その価格構造をロジカルに分解し、適正な相場観を養っていただきます。
広告の「7万円〜」と実際の見積もり「30万円」の乖離
Web広告や交通広告で頻繁に目にする「両眼7万円〜」といった衝撃的な低価格。
これは嘘ではありませんが、あくまで「最安値プラン」の価格であることを理解する必要があります。
この価格帯で提供される手術の多くは、マイクロケラトームという金属製の刃物を使用して、角膜のフタ(フラップ)を作成する旧来の術式です。
もちろん、この術式でも視力は回復しますが、現在の主流である「オールレーザー(フェムトセカンドレーザー)」を使用した術式に比べると、いくつかの技術的な差異があります。
具体的には、フラップの厚みの均一性や、切断面の滑らかさにおいて、レーザーの方が物理的に有利であり、それが術後の見え方の質やドライアイのリスクに影響を与える可能性があります。
一方で、多くの患者さんが実際に契約しているプランの相場は、20万円〜35万円の範囲に収束しています。
これは、より安全性が高く、合併症のリスクを低減できる最新機器を使用したプランや、個々の目の歪みに合わせて照射を行う「オーダーメイド照射」を選択する人が多いためです。
つまり、「7万円」は集客のための入り口価格であり、カウンセリングでリスクや性能差の説明を受けた結果、多くの人が「自分の目のためなら」と、上位のプラン(適正相場である30万円前後)を選択するというのが実情です。
この乖離を「騙された」と感じるか、「スペックの違い」と捉えるかが、納得感の分かれ目となります。
なぜクリニックによって値段が違うのか?3つの決定要因
価格差を生む要因をさらに深掘りすると、主に以下の3つの要素に分解できます。
これらをチェックリストとして活用することで、提示された見積もりが「ぼったくり」なのか、それとも「適正な対価」なのかを判断できるようになります。
レーシック手術の核心は、角膜を削るエキシマレーザーと、フラップを作るフェムトセカンドレーザーの性能にあります。
最新の機器(例:アマリス1050RSやビジュマックスなど)は、眼球の微細な動きを追尾するトラッキング機能や、角膜の切削量を最小限に抑える制御機能を搭載しています。
これらの機器は導入コストが数千万円から億単位と高額であり、さらに手術ごとにメーカーへ支払うライセンス料(ロイヤリティ)や、使い捨てのインターフェース(患者さんの目に触れる部分)のコストが発生します。
安いプランでは、減価償却が済んだ古い機器を使用したり、消耗品のコストが安い術式を採用したりすることで価格を抑えています。
逆に高いプランでは、最新鋭の機器を使用し、全てを使い捨てにするなど感染症対策を徹底しているため、原価が高くなります。
手術後の視力が再び低下してしまった場合や、合併症が起きた場合の「再手術保証」も価格に大きく反映されます。
- 格安プラン: 保証期間が1年〜3年と短い、あるいは保証がない。
- 標準・高級プラン: 保証期間が5年〜10年などの長期保証
(※クリニックによって制度名称や条件が異なります。「永年」等の表現があっても、適用条件・上限・対象範囲は必ず確認)。
再手術には当然コストがかかりますが、それを最初の手術費用にあらかじめ含んでいるかどうかの違いです。
※なお、保証があっても「再手術が必要と判断される視力低下の基準」や「角膜厚が残っていること」などの適用条件があるため、契約前に確認しましょう。
「近視の戻り」は起こり得るため、長期的なリスクヘッジを重視するなら、保証期間の長さは重要なスペックの一つと言えます。
※短期では大きな変化が少ないこともありますが、長期(年単位)で見ると追加矯正が必要になる例も報告されているため、保証の考え方は「数年後」まで含めて検討しましょう。
表示価格に何が含まれているかも、クリニックによって異なります。
多くの大手クリニックの上位プランでは、術後数ヶ月〜数年間の定期検診代や、必要な点眼薬代が全て「コミコミ」になっています。
しかし、格安プランや一部のクリニックでは、検診のたびに数千円の再診料がかかったり、薬代が別途請求されたりするケースがあります。
初期費用が安くても、通院のたびに財布を開くことになれば、トータルコストは変わりません。
見積もりを見る際は、「術後半年間でトータルいくら払うことになるか」を計算することが不可欠です。
精神科専門医 尾内隆志医師のアドバイス
尾内 医師人間は、本能的に『安すぎるもの』に対して警戒心や不安を抱くようにできています。これは生存本能として正常な反応です。
特に、自分の身体、ましてや『目』という重要な感覚器にメスを入れる手術において、価格の安さだけを追求することは、術前の不安を増幅させる原因になりかねません。
『もし失敗したら安いプランのせいではないか』という疑念を持ちながら手術を受けることは、精神衛生上よくありません。
自分が心から『ここなら任せられる』と思える安心感を、適正な対価として購入するという視点を持つことが大切です。
術後の見え方に満足し、精神的にも安定した生活(QOL)を送るためには、価格への『納得感』が何よりも重要なのです。
【項目別】乱視・老眼・追加オプションの「隠れコスト」総点検


「公式サイトの料金表を見て30万円を用意していったのに、見積もりを見たら45万円になっていた」
このような事態は、レーシック業界では決して珍しくありません。
多くの人が見落としがちなのが、基本料金に上乗せされるオプション費用や、特定の目の条件によって発生する追加コストです。
これらはクリニック側が悪意を持って隠しているわけではありませんが(多くの場合、注釈に小さく書かれています)、予備知識がないとカウンターで衝撃を受けることになります。
ここでは、見積もりを跳ね上げる要因となる「隠れコスト」について、その必要性と相場を詳しく解説します。
「乱視」がある場合の追加料金発生ライン
近視の方の多くは、同時に「乱視」も持っています。
一般的なレーシック(多くのクリニックの標準プラン)では、軽度から中等度(-2D〜-3D程度まで)の乱視であれば、追加料金なしで矯正が可能です。
しかし、以下のようなケースでは追加費用が発生したり、そもそも高額なプランしか選べなかったりする場合があります。
- 強度の乱視: 乱視度数や角膜形状によって、標準プランでは対応できず、より精密な照射(オーダーメイド照射等)や上位プランの提案を受けることがあります。
※「どの度数から上位プランになるか」はクリニックや使用機器・照射設計で異なるため、検査結果に基づいて確認しましょう。 - 角膜強じん化(クロスリンキング): これが最も頻出する「想定外の出費」です。角膜が生まれつき薄い人や、削る量が多い(強度近視・強度乱視)人の場合、手術によって角膜の強度が下がり、将来的に角膜が突出する(エクタジア)リスクが生じます。これを防ぐために、紫外線を照射して角膜の繊維を硬くするオプション治療を強く勧められることがあります。
この「角膜強じん化」オプションは、追加費用が発生することがあります。
目安としては数万円〜十数万円以上と幅があり、クリニックや施術設計によっては10万円を超えるケースもあります。
※「レーシックと同時に行う場合の追加料金」なのか、「角膜強じん化単独の費用」なのかでも金額感が変わるため、見積書で内訳を確認しましょう。
医師から「安全のために必須です」と言われれば断りづらいものですが、本当に必要かどうかはセカンドオピニオンを含めて慎重に検討すべき項目です。
予算を組む際は、自分の視力が悪い(強度近視・乱視)という自覚がある場合、基本料金にプラス10万円程度のバッファを持たせておくのが賢明です。
「老眼」治療(レーシックカメラ等)は別次元の費用感
40代以上の方で、「最近手元も見えにくいから、ついでに老眼も治したい」と考えている方は特に注意が必要です。
通常のレーシックは「遠く」を見えるようにする手術であり、老眼(調節機能の衰え)そのものを治すことはできません。
むしろ、40代以上で近視を完全に矯正して遠くを良く見えるようにすると、反動で手元が急激に見えづらくなることがあります。
これを解決するための「老眼治療レーシック(レーシックカメラやモノビジョンレーシックなど)」や、「多焦点眼内レンズ(白内障手術の応用)」は、通常のレーシックとは全く異なる術式や高額な部材を使用します。
そのため、費用相場は両眼で40万円〜60万円以上、多焦点眼内レンズの場合は80万円〜100万円と、桁が変わってきます。
「レーシック=20万円くらい」という感覚で受診すると、桁違いの見積もりに驚愕することになります。
老眼年齢に差し掛かっている方は、単純な視力回復だけでなく、「手元と遠くのバランス」をどう取るかという高度な選択が必要になり、それに比例してコストも高くなることを覚悟しなければなりません。
手術代以外にかかる「見落としがちなお金」リスト
手術費用そのもの以外にも、細々とした出費が発生します。
これらを無視して予算ギリギリで申し込むと、痛い目を見ることになります。
以下のリストを参考に、総額シミュレーションを行ってください。
- 適応検査代: 手術が受けられるか調べる詳細な検査です。多くの大手クリニックでは無料ですが、大学病院や一部の眼科では5,000円〜1万円程度かかります。また、コンタクトレンズの使用を中止している期間のメガネ作成費用が必要になる場合もあります。
- 術後の保護メガネ代: 手術直後の目を守るためのゴーグルです。無料配布されることが多いですが、デザイン性の高いものや予備を購入する場合は3,000円〜5,000円程度かかります。
- 指定薬局での処方薬代: 術後の炎症止めや抗生物質の点眼薬です。コミコミプランでない場合、数千円かかります。ドライアイ用の点眼薬を長期で使用する場合、その都度費用が発生します。
- 遠方からの交通費・宿泊費: レーシックは「適応検査」「手術」「翌日検診」「1週間後検診」と、最低でも3〜4回の通院が必要です。遠方のクリニックを選ぶ場合、交通費だけで数万円になることもあります。ただし、大手クリニックでは「交通費補助制度」を設けている場合があるため、事前に適用条件(領収書の提出など)を確認しましょう。
【取材事例】「19.8万円」のつもりで受診したら…?
私が取材したAさん(30代男性)の事例をご紹介しましょう。
彼が直面した現実は、これから手術を受ける方にとって非常に参考になるはずです。
当時、彼はWebサイトで見た「19.8万円」のプランを目当てに、ある大手クリニックへ検査に行きました。
しかし、数時間に及ぶ検査の結果、医師から告げられたのは「角膜の厚さが平均よりわずかに薄い」という事実でした。
「通常の削り方だと安全マージンが確保しにくい」という医学的な判断から提案されたのは、角膜を削る量を節約できる最新機種の上位プランと、角膜強度を補強するクロスリンキング手術のセット。
その場で見せられた見積総額は、なんと約55万円。
医師の説明は論理的で納得のいくものでしたが、当初の予算の倍以上の金額に、彼はその場での即決を断念しました。
後日、セカンドオピニオンとして別のクリニックも受診しましたが、やはり同様の診断を受けたそうです。
最終的に彼は「一生の目の安全」を優先して高額なプランを選びましたが、取材の最後にこう語っていました。
「広告価格はあくまで『目の条件が良い人』向けの価格。自分のように条件が合わないと、値段は一気に跳ね上がるんですね」
この事例からも分かる通り、見積もりの段階では「想定の1.5倍〜2倍」の金額を提示される可能性があることを、あらかじめ予算計画に組み込んでおくことを強くお勧めします。
「安かろう悪かろう」は本当か?価格とリスクの相関関係
私たちは普段の買い物で「安いものには訳がある」ということを知っています。
しかし、医療においてその「訳」が、自分の健康被害という形で現れることは絶対に避けなければなりません。
レーシックにおける価格の安さは、具体的にどのようなリスクと相関しているのでしょうか?
感情的な脅しではなく、物理的・医学的なメカニズムに基づいて解説します。
低価格プラン(ケラトーム式)の物理的リスク


前述した通り、安価なプランの多くは「マイクロケラトーム」というカンナのような刃物を用いてフラップを作成します。
この手法は20年以上の歴史があり、決して危険極まりないものではありませんが、最新の「フェムトセカンドレーザー」と比較すると、構造的なリスク要因を抱えています。
- フラップの精度のバラつき: 刃物が動く機械的な制御であるため、レーザーによるデジタル制御に比べると、作成されるフラップの厚みにわずかなバラつきが生じる可能性があります。フラップが厚くなりすぎると、その分、角膜の土台(ベッド)を削れる量が減り、矯正できる度数に制限が出たり、強度が低下したりする可能性があります。
- フラップ関連のトラブル: 極めて稀ですが、切削時にフラップに穴が開く(ボタンホール)、不完全な切開になるといった物理的なトラブルのリスクが、レーザーよりも理論上高くなります。
- 感染症リスク: 刃物は滅菌して再利用する場合が多いため、使い捨てのインターフェースを使用するレーザーに比べると、徹底した管理が求められます。
エンジニアの視点で言えば、「アナログ制御の工作機械」と「デジタル制御のCNCマシン」の違いに近いでしょう。
精度を求めるならば、間違いなく後者に軍配が上がります。
高額プラン(アイデザイン等)が提供する「見え方の質」
一方で、30万円を超える高額なプラン(アイデザインレーシックやウェーブフロントレーシックなど)は何が違うのでしょうか。
単に視力が1.0や1.5になるだけであれば、安いプランでも達成可能です。
高額プランが提供する価値は、「視覚の質」の向上にあります。
人間の眼球や角膜は、完全な球体ではなく、人それぞれに微細な歪みを持っています。
この歪みは、通常の視力検査では測定できませんが、夜間の見え方やコントラスト感度に影響を与えます。
高額プランでは、手術前に個々の目の歪みを解析し、そのデータをレーザーに転送して「オーダーメイド」の照射を行います。
これにより、以下のようなメリットが期待できます。
- ハロ・グレアの軽減: 夜間に信号や街灯を見たとき、光がにじんだり(ハロ)、ぎらついたり(グレア)する現象を抑えることができます。
- コントラスト感度の維持: 薄暗い場所でも物の輪郭をはっきりと捉える能力を維持します。安いプランでは、視力は良くても「なんとなく景色が白っぽく見える」「夕方になると見えにくい」という症状が出ることがあります。
毎日PC画面を見続け、細かな文字やコードを追うエンジニアの方にとって、この「見え方の質」は、作業効率や目の疲れに直結する極めて重要なスペックです。
精神科専門医 尾内隆志医師のアドバイス



視覚は、人間が外界から得る情報の約8割を占めると言われています。
そのため、術後の見え方に違和感があると、それが慢性的なストレス源となり得ます。
『視力検査では1.5見えているのに、なんだか見えにくい』『光が眩しくて夜の運転が怖い』といった主観的な不満は、眼精疲労だけでなく、頭痛や肩こり、さらには自律神経の乱れを引き起こすこともあります。
これを『不定愁訴』と呼びますが、原因が目の見え方にある場合、再手術などで物理的に解消しない限り、ストレスが続きます。
初期費用を数万円〜十数万円抑えた結果、その後の何十年という期間、見え方のストレスを抱え続けることは、精神衛生的なコストパフォーマンス(費用対効果)の観点から見ると、決して合理的とは言えません。
多少費用がかかっても、副作用のリスクを最小限に抑え、快適な視界を確保することは、心の安定と生活の質を守るための『必要な投資』と考えることができます。
高額な費用を賢く抑える3つのテクニック
レーシックが自由診療であり、良質なプランを選べば30万円前後の出費になることは避けられません。
しかし、制度を正しく活用することで、「実質的な負担額」を数万円単位で引き下げることは可能です。
ここでは、知っている人だけが得をする、合法的な費用圧縮テクニックを紹介します。
【必須知識】医療費控除で実質1割〜2割戻ってくる
最も効果が大きいのが、国の制度である「医療費控除」です。
レーシック手術は、国税庁により「視力回復を目的とした治療」として認められており、医療費控除の対象となります。
1月1日から12月31日までの1年間に、本人または生計を一にする家族が支払った医療費の合計が10万円(総所得金額等が200万円未満の人はその5%)を超えた場合、確定申告を行うことで所得税の一部が還付され、翌年の住民税が減額されます。


- 条件: 年収600万円(課税所得約300万円・所得税率10%)、手術費用30万円の場合
- 医療費控除額: 30万円 - 10万円 = 20万円
- 還付・減税額の合計: 20万円 × (所得税率10% + 住民税率10%) = 約40,000円
つまり、窓口で30万円払っても、後から約4万円が戻ってくるため、実質負担額は26万円になります。
年収が高いほど税率が上がるため、戻ってくる金額も大きくなります。
手術の領収書は絶対に捨てずに保管し、翌年の2月〜3月に忘れずに確定申告を行ってください。
交通費も公共交通機関を使用した場合は対象になりますので、記録を残しておきましょう。
民間の医療保険(生命保険)は使える?
結論から言うと、現在加入している医療保険でレーシックの給付金が下りる可能性は低いと考えてください。
かつて(2007年3月末まで)契約された医療保険では、レーシックが「手術給付金」の対象となっている商品が多くありました。
しかし、レーシックの普及とともに保険会社の支払額が急増したため、2007年4月以降の契約では、多くの保険会社が約款を改定し、レーシックを給付対象外としています。
ただし、もしあなたが昔から加入している古い保険を継続している場合は、チャンスがあります。
保険証券や約款の「手術」の項目を確認し、「レーザーによる視力矯正手術」が含まれているか、あるいは「公的医療保険連動型」ではなく「約款所定の手術(88種など)」となっているかをチェックしてください。
不明な場合は、保険会社のコールセンターに「手術正式名称:レーザー角膜屈折矯正手術」と伝えて問い合わせるのが確実です。
もし対象であれば、片眼につき5万円〜10万円、両眼で10万円〜20万円の給付金が受け取れる可能性があり、手術費用を大幅にカバーできます。
分割払い・医療ローンの活用と金利注意点
「30万円を一括で払うのは貯蓄へのインパクトが大きい」という場合、クリニックが提携している医療ローン(分割払い)を利用するのも一つの手です。
多くの大手クリニックでは、信販会社と提携し、最大60回までの分割払いが可能です。
ここで注目すべきは、「金利手数料0円キャンペーン」です。
一部のクリニックでは、10回〜24回払い程度までの金利手数料をクリニック側が負担してくれる場合があります。
これなら、一括払いと同じ総額で、月々の支払いを数千円〜1万円程度に抑えることができます。
ただし、金利無料の回数を超えて長期ローン(36回、60回など)を組むと、年利5%〜9%程度の手数料が発生し、総支払額が数万円増えてしまうことがあります。
手元の現金を残しておきたい(流動性を確保したい)というエンジニア的な思考は合理的ですが、無駄な金利を払わないよう、シミュレーションをしっかり確認して回数を設定しましょう。
また、クレジットカードの分割払いは、一般的に医療ローンよりも金利が高い(年利12%〜15%程度)ため、分割するなら医療ローン、一括でポイントを貯めるならクレジットカード、と使い分けるのが正解です。
後悔しないクリニック選びの「見積もりチェック」ポイント
ここまで費用の仕組みを見てきましたが、最終的にどのクリニックを選ぶべきか。
安さだけに釣られず、かといって過剰なサービスにお金を払いすぎないために、契約直前に必ずチェックすべきポイントを整理します。
「税込・税抜」と「保証期間」を横並びで比較する
各クリニックの公式サイトを見比べるとき、数字のトリックに惑わされないようにしましょう。
- 税表記の統一: 「198,000円」と書かれていても、それが税抜なら支払額は217,800円です。
- 実質コスト計算:
- クリニックA:20万円(検診代毎回有料、薬代別、保証1年)
- クリニックB:25万円(検診代無料、薬代込、保証5年)
一見Aが安いですが、術後検診に5回行き、薬をもらい、もし2年後に視力が落ちたら再手術費用がかかるとなると、Aの方が高くつくリスクがあります。
特に保証期間は重要です。
近視の戻りは術後半年〜1年以内に起こることが多いですが、数年経ってから徐々に落ちることもあります。
「検診代無料期間」と「再手術無料期間」がそれぞれいつまでなのか、明確に確認してください。
医師の専門性とカウンセリングの質
最後に、やはり「人」の問題は無視できません。
執刀医が「日本眼科学会認定 眼科専門医」の資格を持っているかは、最低限のラインです。
これは眼科医としての基礎的なトレーニングを受け、一定の知識と技術を持っていることの証明です。
その上で、カウンセリング時に医師があなたの質問にどう答えるかを見てください。
- 「絶対に安全です」「必ず良くなります」と、リスクを語らず良いことしか言わない医師は要注意です。
- 逆に、「あなたの角膜の厚さだと、これ以上削るとこういうリスクがあります」「将来老眼になったときはこういう見え方になります」と、ネガティブな情報も含めて論理的に説明してくれる医師こそ信頼に値します。
精神科専門医 尾内隆志医師のアドバイス



診察室で医師を前にすると、遠慮してしまって聞きたいことが聞けないという方は多いです。
しかし、納得のいかないまま手術を受けることは、術後の後悔の種になります。
良い医師とは、患者さんの不安を受け止め、納得いくまで説明を尽くしてくれる医師のことです。
『なぜこの価格設定なのか?』『追加費用の可能性は?』『万が一の時の対応は?』
こうした質問をぶつけた時に、嫌な顔一つせず誠実に答えてくれるかどうか。
その対話プロセスこそが、あなたとその医師、そしてクリニックとの信頼関係を築く第一歩です。
手術を成功させるためには、技術だけでなく、こうした『信頼関係』が、あなたの心の安心材料として不可欠なのです。
よくある質問(FAQ)
ここでは、費用に関してよく寄せられる疑問に、Q&A形式で簡潔にお答えします。
ICL(眼内コンタクトレンズ)と比べて費用はどうですか?
ICLの相場は両眼で45万円〜70万円程度です。
レーシックの適正相場(20万〜35万円)と比較すると、約2倍の費用がかかります。
ICLは角膜を削らず、レンズを目の中に挿入する手術であり、強度近視でも受けられる、可逆性がある(レンズを取り出せる)といったメリットがありますが、コスト面でのハードルは高くなります。
角膜の厚さが十分あり、中程度の近視であれば、費用対効果の面でレーシックを選ぶ人が依然として多いのが現状です。
将来、視力が戻ってしまった場合の追加費用は?
契約したプランの「保証期間内」であれば、基本的に無料で再手術が受けられます(ただし、再手術に必要な角膜の厚さが残っていることなどの医学的条件があります)。
保証期間を過ぎてしまった場合や、保証のないプランの場合は、正規料金の半額〜全額程度の再手術費用がかかることが一般的です。
このリスクをカバーするために、最初から長期保証のプランを選んでおくことが保険となります。
クレジットカードのポイントは貯まりますか?
はい、多くの大手クリニックではクレジットカード払いに対応しています。
例えば30万円の手術費用を還元率1%のカードで支払えば、3,000円分のポイントが貯まります。
現金振込では得られないメリットですので、限度額を確認した上で積極的に活用しましょう。
また、カード会社によっては「後からリボ」や「後から分割」が利用できる場合もありますが、カード会社の手数料は医療ローンより高い傾向があるため注意してください。
まとめ:価格の透明性を重視して「納得できる手術」を選ぼう
レーシック手術の費用は、決して安い買い物ではありません。
しかし、毎日のコンタクトレンズの着脱の手間、ケア用品代(年間2〜3万円×数十年)、そして災害時にメガネやコンタクトがなくて困るリスクなどを総合的に考えれば、十分に投資回収が可能な選択肢です。
重要なのは、目先の「7万円」という数字に惑わされず、「トータルでいくらかかるのか」「その価格で何が得られ、何がリスクなのか」を冷静に見極めることです。
最後に、改めてチェックリストを確認しましょう。
▼【最終確認】費用・契約チェックリスト
| 項目 | 確認ポイント | チェック |
|---|---|---|
| 見積もり総額 | 表示価格だけでなく、税込・薬代・検診代を含めた総額を確認したか? | □ |
| 追加費用 | 乱視矯正、角膜強化、指名料などのオプション費用が含まれているか? | □ |
| 保証期間 | 再手術無料期間は何年か?その条件は明確か? | □ |
| 術式・機器 | 使用する機器は最新か?(マイクロケラトームではなくレーザーか?) | □ |
| 医師の実績 | 執刀医は眼科専門医か?実績数は十分か? | □ |
| 支払い方法 | クレジットカードの限度額は足りているか?医療ローンの金利は確認したか? | □ |
| 医療費控除 | 領収書を保管し、確定申告の準備をしているか? | □ |
あなたの視界がクリアになることは、単に見え方が変わるだけでなく、生活の質や心の持ちようまで明るく変えてくれる可能性があります。
精神科医の尾内先生がおっしゃるように、不安や疑問を一つひとつ解消し、心から納得した上で手術に臨むことができれば、その投資はあなたにとって最高の価値を生み出すはずです。
まずは複数のクリニックで無料検査を受け、自分の目の状態と正確な見積もりを知ることから始めてみませんか。
それが、後悔しない選択への第一歩です。
精神科専門医 尾内隆志医師からのメッセージ



手術への恐怖や費用への迷いを感じるのは、あなたがご自身の身体を大切に思っている証拠であり、正常な反応です。
焦る必要はありません。
コンタクトレンズの管理から解放され、裸眼で朝を迎える生活は、心に余裕をもたらし、ストレスを軽減する大きなきっかけになるかもしれません。
ご自身が『ここなら大丈夫』と心から思える場所が見つかるまで、じっくりと検討してください。
あなたの決断が、より豊かで快適な未来に繋がることを願っています。

