「70万円近いICL、数年待てば安くなるのでは?」
そう考えて決断を迷うのは当然のことです。しかし結論から言うと、今後ICLが安くなる可能性は極めて低く、むしろ値上げのリスクさえあります。
本記事では、2025年最新の市場動向と精神科医の視点から、不確実な値下げを待つよりも「今受けること」がなぜ合理的と言えるのか、その根拠を専門的に解説します。
- ICLが今後も下がりにくい「3つの構造的理由」
- 精神科医が教える「高額手術への不安」を解消する考え方
- 2025年最新版:実質負担を減らす節税術と割引利用の注意点
ICLの費用は今後安くなるのか?結論と市場動向

このセクションでは、ICLの価格がなぜ下がりにくいのか、2025年以降の最新トレンドと市場構造から解説します。
医療技術の進歩は続いていますが、それが「価格低下」に直結しない特殊な背景が存在します。
結論:今後5年で劇的な価格下落が起きにくい理由
ICLの費用が下がらない最大の理由は、これが単なる「レンズ」という物品の販売ではなく、高度な「医術」と「特許」に守られた特殊な医療サービスだからです。
過去10年の推移を見ても、手術の普及により需要は飛躍的に高まりましたが、手術費用は横ばい、もしくは上昇傾向にあります。
一般的に、製品価格が下がるには「競合による価格競争」か「製造プロセスの劇的な簡略化」が必要です。
しかし、ICL手術は厚生労働省が認可した厳格な医療行為であり、自由診療枠(自費診療)であるため、各クリニックは安売りで競うよりも、検査機器の拡充や長期保証といった「医療の質」を維持するためにコストを投じているのが実情です。
最新事情:競合レンズ「IPCL」の承認と価格への影響
2025年、日本のICL市場に大きな変化がありました。これまでSTAAR Surgical(スター・サージカル)社の独占状態に近かった日本の承認レンズ市場において、競合製品である「IPCL(EyeOL社製)」が厚生労働省の承認を受け、導入が進み始めています。
この競争原理の導入により、長期的には仕入れ価格の安定が期待されます。
しかし、IPCLは老眼矯正などの高付加価値分野に強みを持つため、標準的な近視矯正レンズの価格がすぐに崩れることは考えにくいです。
むしろ、2025年末時点では「多機能レンズの選択肢が増えた」という文脈で語られることが多く、ベースとなる手術費用を下げる要因には至っていません。
2022年〜2025年の動向:インフレと円安による「値上げリスク」
ここ数年、医療業界も世界的な物価高と円安の影響を強く受けています。ICLのレンズは海外からの輸入品であるため、為替レートの変動がクリニックの仕入れコストに直結します。
実際に、2023年から2024年にかけて、国内の大手眼科クリニックの多くが「材料費・輸送費・光熱費の高騰」を理由に、3万〜5万円程度の価格改定(値上げ)を行いました。
2025年現在もインフレ傾向は続いており、不確実な「いつか安くなる日」を待っている間に、さらなる値上げが発表されるリスクの方が現実的であると言えます。
技術の標準化は進むが、医師の「技術料」は下がらない背景
ICLはレーシックと異なり、医師が目の中にレンズを手作業で固定する非常に繊細なオペレーションです。
このため、費用の中にはレンズ代と同等以上に、医師の熟練した「技術料」が含まれています。
医師が「ICL認定医」としてのスキルを維持し、安全な手術環境を提供し続けるための人件費や教育コストは、時間が経過しても下がることはありません。
むしろ、より安全性を高めるための最新検査システムの導入費用などが加算されるため、医療の質を第一に考える優良なクリニックほど、安易な価格破壊には走らないのが実情です。

なぜICLは「高い」ままなのか?費用構造を徹底解剖
構造的な仕組みを理解することで、ICLの70万円という価格が決して「根拠のない高値」ではないことがわかります。その内訳は、極めて論理的なコストの積み上げです。
特殊素材レンズの製造コストと輸送リスク
ICLのレンズ素材「コラマー(Collamer)」は、生体適合性が非常に高く、目の中で異物反応を起こしにくい特許素材です。
この素材の製造には高度な技術が必要であり、大量生産による急激なコストダウンが難しい側面があります。
さらに、患者一人ひとりの近視度数や乱視の軸に合わせた多種多様なレンズを用意する必要があります。
特に乱視が強い場合は海外工場で個別にオーダーメイド製造され、厳格な温度・品質管理のもと空輸されるため、その輸送コストも価格に反映されています。
認定医制度による「参入障壁」と専門性の維持
ICL手術を行うには、メーカーが定める「認定医(エキスパートインストラクター等の指導を含む)」の資格を得る必要があります。
これは不適切な手術による合併症を防ぎ、ブランドの信頼性を守るための世界共通のフィルターです。
この認定制度があることで、価格のみで勝負するような低品質なプレイヤーの参入を抑制し、結果として「専門性で選ばれる」健全な市場が形成されています。
患者にとっては、この高いハードルこそが安全性の担保という見えない価値になっています。
術後保証(3年〜)を含めたトータルパッケージの裏側
多くのクリニックが提示する費用には、手術当日だけでなく、術後数年間の検診代や、万が一のレンズサイズ入れ替え費用、合併症への対応費が含まれています。
これを「長期的な安心料込みのサブスクリプション型プラン」と考えると、初期費用が高くなるのは必然です。
安い価格だけを提示し、後から「定期検診ごとに5,000円」「サイズ交換は追加20万円」と請求するモデルよりも、総額表示で長期的な安心を売るスタイルが、現在の日本の自由診療市場では主流となっています。
レーシックと比較して「初期費用」が膨らむ構造的違い
レーシックは「レーザー機器」という設備への初期投資がメインであり、症例数を増やすことで1件あたりの単価を下げる「薄利多売」が成立しやすかったのです。
一方のICLは、手術のたびに高額な「レンズ代(仕入れ値)」という変動費が確実にかかります。
この仕入れ値の高さが、ICL価格が高止まりしている構造的な要因です。2025年に競合レンズが登場したとはいえ、素材の希少性から大幅な原価割れは期待できません。
ICL vs レーシック 費用構造と生涯コストの徹底比較表
| 項目 | ICL (眼内コンタクトレンズ) | レーシック (角膜屈折矯正) |
|---|---|---|
| 初期費用 | 40万〜90万円 (高) | 10万〜40万円 (低〜中) |
| 主なコスト要因 | レンズ代(変動費)、医師の技術料 | レーザー機器維持費(固定費) |
| 可逆性 | あり(レンズを取り出せる) | なし(角膜を削るため戻せない) |
| 適応範囲 | 強度近視、角膜が薄い人も可 | 強度近視や薄い角膜は不可の場合あり |
| 長期的な安定性 | 非常に高い | 年月とともに視力が戻る可能性あり |
【医師監修】「安くなるのを待つ」ことの隠れたリスクと機会損失

「もっと安くなるまで待とう」という心理は、不確実な投資を避けようとする人間本来の防衛本能です。
しかし、精神科医の尾内隆志医師は、この「待機」がもたらす精神的・時間的な損失について、専門的な見解を示しています。
尾内 隆志 医師(精神科専門医)のアドバイス
尾内 医師精神医学的な観点から見ると、人間は『今の10万円』を失う恐怖を、『将来の100万円分の価値』を得る喜びよりも大きく見積もる傾向があります(損失回避性)。しかし、ICLのようなQOL(生活の質)に直結する医療において、決断を先延ばしにすることは、単なる節約ではなく『貴重な人生の時間を浪費している』という側面を見落としがちです。
近視に悩むストレスや、コンタクトレンズによる乾燥・違和感。これらから解放されることで得られる精神的な余裕や自己肯定感は、数万円の価格差では到底購えない価値があります。迷っている時間は、脳にとって常に『未完了の課題』としてリソースを消費し続けるストレス要因になり得るのです。
「40代の壁」ICLには年齢制限があるという事実
ICLを「いつか安くなったら」と待っている間に、避けて通れないのが「加齢」のリスクです。
一般的に、45歳前後から始まる老眼の症状が出始めると、遠くは見えるようになっても手元が見えづらくなり、ICLのメリットを最大限享受できなくなります。
また、白内障が進行するとICLではなく白内障手術が必要になります。つまり、「安くなるのを待つ」という選択は、実は「手術を受けられる残り時間を削っている」ことと同義です。
30代で受けるのと、40代後半で受けるのとでは、裸眼で過ごせる期間の価値が10年以上も変わってしまいます。
若い時期の「裸眼時間」を金額換算する考え方
例えば、ICLに70万円かかるとします。30代前半で受けて、老眼が本格化する50代前半までの20年間活用すると考えると、1年あたりのコストは3.5万円、1日あたりに換算すればわずか約96円です。
これは毎日ペットボトルの飲み物を1本買うよりも安い金額です。
一方で、3年待ってもし価格が5万円下がったとしても、その間の3年分(1,095日)の「裸眼で過ごす快適さ」を失ったことになります。
多くの方にとって、この「機会損失(Opportunity Cost)」は、数万円の節約よりも遥かに大きなインパクトを持つはずです。
視力回復がもたらす自己肯定感と生産性へのポジティブな影響
コンタクトレンズの乾燥や充血、朝晩の手入れ、災害時の不安。これらは小さなストレスに見えて、長期間蓄積されると精神的な疲労につながります。
特にデスクワークや精密な作業を行う方にとって、ドライアイは集中力を削ぐ大きな要因です。
ICLによってこれらのノイズが排除されると、日々のパフォーマンスが向上するだけでなく、「自分の体を最適な状態にアップデートした」という感覚が強い自己肯定感を生みます。
このポジティブな心理変容は、人生のあらゆる活動を前向きにする強力なトリガーとなります。
【精神医学的視点】高額な買い物に対する不安の乗り越え方
人間は損失を避けようとするあまり、現状維持を選びがちです。これを打破するには、「得られるメリット」を具体的にイメージし、リスクを定量的・論理的に整理することが有効です。
「もし今、無料でICLを受けられるとしたら受けるか?」と自問してみてください。答えがYESなら、本当の悩みは「安全性」ではなく「費用面」です。
費用面の問題であれば、後述する医療費控除や分割払いで、論理的な解決が可能です。
以前、ICL手術を経験した多くの方々に取材をした際、非常に印象的な言葉がありました。
それは「手術前に最も悩んでいたのは費用のことだったが、手術後に『費用が高すぎた』と後悔している人は一人もいなかった」という点です。
むしろ、「悩んでいた数年間がもったいなかった」という声が圧倒的でした。これは、70万円という金額が「複数の高級ノートPCを購入する」のと同等の支出であっても、それ以上に人生へのリターンが大きいと感じている証拠です。
今すぐICLを実質安く受けるための「4つの賢い戦略」
「今後劇的に安くなることはない」としても、現状の価格から「実質的な負担を減らす」方法はいくつか存在します。2025年時点での最新の制度活用術をまとめました。
【必須】医療費控除で最大〇〇万円戻ってくるシミュレーション
ICLは「視力矯正を目的とした手術」であるため、国税庁より医療費控除の対象として認められています。これは2025年現在も変わらない、最も確実な「実質的負担の軽減策」です。
所得税率は年収によって異なりますが、年収600万円の人が70万円のICLを受けた場合、住民税の軽減分と合わせて約10万〜14万円程度が実質的に戻ってくる計算になります(※条件により異なります)。
これにより、70万円の手術は実質50万円台まで下がります。この申請を忘れるのは、数年分の価格下落を待つよりも大きな損です。
任意保険の「先進医療特約」に関する正確な知識
ここで注意が必要なのは、保険の扱いです。ICL手術は、厚生労働省が定める「先進医療」には指定されていません。現在も、そして過去においても先進医療特約の対象外です。
したがって、民間保険の「先進医療特約」で給付を受けることはできませんので、読者の方は混同しないようご注意ください。
ただし、ご自身が加入している生命保険や医療保険の「手術給付金」の対象になる場合があります。
一部の契約では「眼内レンズ挿入術」として数万円の給付が下りるケースがあります。
手術前に、保険会社へ「K504 眼内レンズ挿入術は対象か」と問い合わせることを強く推奨します。
紹介制度・モニター割引利用時の「条件」への注意
大手クリニックでは、知人紹介割引や、SNSへの体験談投稿を条件とした「モニター割引」を用意していることがあります。これらを利用すれば3万〜5万円程度の割引が受けられます。
ただし、モニター割引は「実名や顔写真の公開」「定期的な通院報告」などの条件があるほか、一部のクリニックでは保証内容が通常プランと異なる(例:保証期間が短い)場合があります。利用時は「安さ」だけでなく「条件と保証範囲」を必ず確認しましょう。
ポイント還元と医療ローンの活用
70万円をクレジットカードで支払えば、1%還元でも7,000円分以上のポイントがつきます。
また、多くのクリニックでは「24回払いまで金利手数料無料」といったキャンペーンを実施しています。
インフレ下においては、現金を手元に残し、無利息の医療ローンで支払うことも賢い選択肢の一つです。
月々約1〜3万円程度の支払いで、今すぐ裸眼生活を開始することが可能になります。
失敗しないための「安さ」以外のクリニック選定基準
価格の安さだけでクリニックを選ぶことは、目の手術において最も避けるべきリスクです。
「エキスパートインストラクター」の在籍を確認
単に「ICL認定医」であるだけでなく、他の医師を指導できる立場にある「エキスパートインストラクター」が在籍しているか、あるいは執刀しているかは非常に重要な指標です。
ICLはレンズを挿入する角度や固定位置の微差が、視力の質を左右します。
経験豊富な医師であれば、術前検査のデータから「その人の目に最適なレンズサイズ」をミリ単位で見極めることができます。
追加費用の透明性と保証範囲をチェック
「手術代は安いが、定期検診のたびに数千円かかる」「レンズのサイズが合わなかった際の入れ替えが有料」といったクリニックは慎重に判断すべきです。
最低でも3年間、できればそれ以上の保証期間が設けられ、その期間内の検診や緊急対応が「総額表示」に含まれているクリニックを選ぶのが、結果として最も安心で、トータルコストが低くなります。
術前検査の精密さと「不適合」を正しく告げる誠実さ
ICLは誰でも受けられる手術ではありません。角膜の内側の細胞(角膜内皮細胞)の数や、目の中のスペースが不足している場合、手術を断るのが正しい判断です。
複数の検査機器を使い、1〜2時間かけてじっくりと適合性を調べ、「あなたは適応外です」とはっきり言ってくれるクリニックこそが、真に信頼できる医療機関です。
精神的な不安に寄り添うカウンセリング体制の有無
尾内 隆志 医師(精神科専門医)のアドバイス



手術前の不安を放置したままオペに臨むと、術後のわずかな違和感に対しても過剰に不安を感じてしまう『術後神経症』のような状態に陥ることがあります。納得いくまで質問に答えてくれるカウンセラーや医師の存在こそが、高額な投資に対する『安心料』の本質です。事務的な説明だけでなく、ご自身の生活スタイルに寄り添ってくれるかを確認してください。
ICL手術の具体的プロセスと注意点
日常生活や業務への影響を最小限に抑えるための、具体的なフローと注意点を整理しました。
検査から手術当日までのタイムライン
- 適応検査: 自分の目がICLに適しているか判定。正確なデータを得るため、コンタクトレンズの装用を数日前から中止する必要があります。
- レンズ発注: 国内在庫があれば数日、オーダーメイドなら1〜2ヶ月待ちます。
- 手術当日: 手術自体は両目で15〜20分程度。点眼麻酔のみで痛みはほとんどありません。
- 翌日検診: 多くの場合、翌朝には「世界が変わった」と感じるほどの視力回復を実感できます。
リスクと対処:ハロー・グレアについて
術後、夜間の光がにじんで見える「ハロー・グレア」は、ホールICL特有の現象として起こり得ます。しかし、脳が次第にその見え方に慣れていく「神経適応」により、数ヶ月で気にならなくなるのが一般的です。
仕事・日常生活への復帰タイミング
手術翌日の検診で問題がなければ、デスクワーク自体は再開可能です。ただし、術後1週間程度は目が疲れやすく、炎症を抑える目薬も頻繁に行う必要があるため、余裕を持ったスケジュールを組むのが理想的です。
よくある質問(FAQ)
まとめ:ICLは「価格」ではなく「人生の質」で選ぶ
ICLの費用は、2025年現在、そして今後においても劇的に安くなることは期待できません。
むしろ「待機による機会損失」と「加齢による制限」というリスクを考慮すれば、検討している今が、あなたにとっての「最安値」である可能性が高いのです。
日々の生活で費やしている「視力にまつわるストレス」を解消し、より豊かでクリアな日常を手に入れるために、まずは第一歩を踏み出してみませんか?
尾内 隆志 医師(精神科専門医)からのメッセージ



視界が変わると、世界の見え方が変わります。大げさではなく、朝起きて最初に触れる情報がクリアになることは、精神衛生上も非常にポジティブな影響を与えます。新しい視界を手に入れることは、自分自身を大切にするための素晴らしい投資です。
- [ ] 年齢確認: 老眼が本格化する前(45歳未満が目安)か?
- [ ] 経済性: 医療費控除による還付額を把握したか?
- [ ] 時間の価値: 待機することで失う「裸眼の自由」を許容できるか?
- [ ] クリニック選定: 症例数、認定医、保証体制は十分か?
- [ ] 条件確認: モニター割引等を利用する場合、保証内容に不利益はないか?
「自分の目は本当に手術できるのかな?」「正確な見積もりはいくらだろう?」
そんな疑問を解消する第一歩は、専門医による適応検査です。
先進会眼科では、ICLの豊富な実績を持つ専門医による精密な検査とカウンセリングを行っています。まずは自分自身の目の状態を正しく知ることから始めてみませんか?
参考文献・引用元

