「そろそろ本気で痩せたいけれど、食事制限も運動も続かない」
そんな悩みを抱え、医療ダイエットに希望を見出している方は非常に多いのではないでしょうか。
特に最近では、SNSを中心に「マンジャロ」「オゼンピック」「スルリム」といった言葉が飛び交い、どれを選べばいいのか迷ってしまうという声をよく耳にします。
結論から申し上げます。
「10kg規模で体重を落としたい全身痩せ」 を目指すなら、マンジャロ か オゼンピック (GLP-1受容体作動薬)を選ぶべきです。
一方で、「体重は標準だけれど、顔や二の腕の脂肪だけを落としたい」 という 部分痩せ が目的なら、スルリム (脂肪溶解注射)が正解となります。
これらは目的も作用も全く異なる薬剤であり、混ぜて考えてしまうと「高いお金を払ったのに効果がない」「思わぬ副作用で後悔した」という結果になりかねません。
- マンジャロ・オゼンピック・スルリムの効果・費用・痛みの詳細な比較
- 「あなたの予算と目標」に最適な注射がわかるタイプ別診断
- 精神科医が教える「薬をやめた後のリバウンド」と「依存」を防ぐための心のケア
単なる薬剤のスペック比較にとどまらず、あなたのライフスタイルや予算、そして心の健康まで考慮した「後悔しない選択」をサポートします。
ぜひ最後までお読みいただき、理想の自分への第一歩を踏み出してください。
一覧表 マンジャロ・オゼンピック・スルリムの違いを30秒で理解
まずは、あなたが混乱しているであろう3つの薬剤の違いを、整理して見ていきましょう。
多くの情報サイトでは専門用語が並んでいて難しく感じるかもしれませんが、ポイントは「目的」「予算」「ダウンタイム(回復期間)」の3つだけです。
以下の比較表をご覧ください。
この表を見るだけで、それぞれの薬剤が全く異なるキャラクターを持っていることがわかるはずです。
▼3大ダイエット注射 比較スペック表
| 項目 | マンジャロ (全身痩せ) | オゼンピック (全身痩せ) | スルリム (部分痩せ) |
|---|---|---|---|
| 主な目的 | 大幅な体重減少 (-10kg〜) | 安定した体重減少 (-5kg〜) | 局所の脂肪除去 (小顔・二の腕) |
| 主成分 | チルゼパチド | セマグルチド | デオキシコール酸など |
| 作用機序 | 食欲中枢抑制 (強力) | 食欲中枢抑制 | 脂肪細胞の物理的破壊 |
| 月額目安 | 2.5万円 〜 8万円 | 2万円 〜 4万円 | 1部位 3,000円〜 (都度払い) |
| 投与頻度 | 週に1回 | 週に1回 | 2〜4週間に1回 (計3〜5回推奨) |
| 痛み | ほぼなし (極細針) | ほぼなし (極細針) | あり (注入時・術後の鈍痛) |
| 副作用 | 吐き気・便秘 (中〜強) | 吐き気・便秘 (小〜中) | 腫れ・内出血・熱感 |
| ダウンタイム | なし (通勤可能) | なし (通勤可能) | あり (数日〜1週間腫れる) |
あなたに必要なのはどれ?4つの「痩せる注射」を徹底比較
「ダイエット注射」と一口に言っても、実は大きく分けて4つの種類があることをご存じでしょうか。
自分の目的に合わない注射を選んでしまうと、「何度も打ったのに全く痩せない」という残念な結果になりかねません。
まずは、それぞれの特徴を整理しましょう。
- 食欲抑制系(GLP-1など): 脳に働きかけて食欲を抑えます。「つい食べすぎてしまう」「全体的にサイズダウンしたい」という方に最適です。(代表薬:マンジャロ、オゼンピック)
- 脂肪溶解系(スルリムなど): 脂肪細胞そのものを溶かして減らします。「体重は標準だけど、二重アゴだけ消したい」という部分痩せ向きです。
- 代謝アップ系(L-カルニチンなど): 脂肪の燃焼をサポートします。これだけで痩せる効果は弱いため、運動と併用するのが基本です。
- 筋肉抑制系(ボトックス): 発達しすぎた筋肉を小さくします。「脂肪ではなく筋肉で太くなっているふくらはぎ」や「エラ張り」に効果的です。
当院では、確実な結果を出していただくため、医学的に高い痩身効果が証明されている「1. 食欲抑制系(GLP-1)」と「2. 脂肪溶解系」をメインに治療を行っています。
エステや手術と比べてどうなの?賢い選択のための徹底比較
「エステに通うか、思い切って脂肪吸引をするか、それとも注射か…」
ダイエットの方法はたくさんありすぎて、どれが正解かわからなくなりますよね。
それぞれの方法には、明確なメリットとデメリットがあります。
あなたの優先順位(効果の速さ、費用、手軽さ)に合わせて選ぶことが大切です。
▼ダイエット方法別・徹底比較表
| 特徴 | 医療ダイエット注射 | 脂肪吸引(手術) | 痩身エステ |
| 効果の確実性 | 高い 医学的根拠に基づき脂肪細胞や食欲に作用 | 非常に高い 物理的に脂肪を除去するため確実 | 個人差あり むくみは取れるが脂肪減少は限定的 |
| ダウンタイム | ほぼなし 直後から普段通りの生活が可能 | 重い 痛みや内出血で1週間〜1ヶ月の制限あり | 全くなし リラックス効果が高い |
| 痛み | 少ない チクッとする程度 | 強い 術後の筋肉痛のような痛みが続く | なし マッサージの心地よさ |
| リバウンド | しにくい 食欲基準が変わるため維持しやすい | しない 脂肪細胞がなくなるため | しやすい 通うのをやめると元に戻りやすい |
| 費用目安 | 3万〜10万円 /月 | 30万〜100万円 /回 | 1万〜20万円 /コース |
結論として、「手術のような怖い思いはしたくないけれど、エステのような気休めではなく、医学的な効果が欲しい」という方に、医療ダイエット注射は最もバランスの良い選択肢と言えます。
実は別物!「食欲を止める注射」と「脂肪を溶かす注射」
表を見てお気づきでしょうか。
マンジャロとオゼンピックは似ていますが、スルリムだけは全く性質が異なります。
マンジャロとオゼンピックは、もともと2型糖尿病の治療薬として開発された薬剤です。
これらは週に1回、お腹や太ももに皮下注射することで全身を巡り、脳の「食欲中枢」に直接働きかけます。
「食べたい」という欲求そのものを自然に抑え込み、同時に胃の動きを緩やかにすることで、少量の食事で満腹感を得られるようにするのです。
その結果、自然と摂取カロリーが減り、全身の脂肪が落ちていきます。
一方で、スルリムは「脂肪溶解注射」の一種です。
これは、気になる部位の皮下脂肪に直接薬剤を注入し、化学反応によって脂肪細胞の膜を破壊・溶解します。
溶け出した脂肪は、血管やリンパ管を通って数週間かけて体外へ排出されます。
つまり、スルリムは「ここだけ減らしたい」というピンポイントな要望には応えられますが、食欲を抑える効果は一切ありません。

尾内 隆志 医師 (精神科専門医) の解説
尾内 医師多くの方が混同されていますが、GLP-1受容体作動薬(マンジャロやオゼンピック)は、脳に作用する『中枢神経へのアプローチ』です。
脳が『もうお腹いっぱい』と感じる信号を強制的に作り出すため、意志の力とは無関係に食欲が治まります。
一方で、脂肪溶解注射(スルリム等)は、あくまで局所的な『物理的な破壊』です。
脳への作用はないため、食欲自体は変わりません。
全身痩せたいのにスルリムを選んでも、食欲が変わらなければ他の部位に脂肪がつくだけで、根本的な解決にはならないことを理解しておきましょう。
どっちを選ぶべき?目的別フローチャート
では、あなたはどちらを選ぶべきなのでしょうか。
迷ったときは、以下のフローチャートを参考にしてみてください。


尾内 隆志 医師 (精神科専門医) のアドバイス



『痩せたい』という言葉の裏には、様々な心理が隠れています。
単に健康数値のために体重を落としたいのか、それとも特定のコンプレックスを解消して自信を持ちたいのか。
自分のゴール設定を誤ると、不必要な治療にお金を費やすだけでなく、摂食障害の入り口に立ってしまうリスクもあります。
まずは鏡を見て、自分の身体の『どこ』が気になるのか、客観的に見つめ直すことから始めましょう。
「全身痩せ」ならGLP-1(マンジャロ・オゼンピック)。効果と副作用のリアル
ここからは、多くの人が検討している「全身痩せ」のためのマンジャロとオゼンピックについて、さらに深掘りしていきます。
決して安い買い物ではありません。
メリットだけでなく、副作用やリスクについても、包み隠さずお伝えします。
マンジャロとオゼンピック、痩せるのはどっち?
結論から言うと、体重減少効果においては「マンジャロ」の方が強力であるというデータが多数報告されています。
これには明確な医学的理由があります。
オゼンピックの主成分「セマグルチド」は、GLP-1 という1種類のホルモン受容体に作用します。
これだけでも十分な食欲抑制効果があり、海外の臨床試験では約10〜15%の体重減少効果が示されています。
対して、マンジャロの主成分「チルゼパチド」は、GLP-1 に加えて GIP というもう1つのホルモン受容体にも作用する世界初の「持続性GIP/GLP-1受容体作動薬」です。
この2つのホルモンが相乗効果を発揮することで、より強力に血糖値をコントロールし、食欲を抑え、脂肪燃焼を促進します。
国際的な臨床試験(SURMOUNT-1試験)では、マンジャロ(15mg投与群)を使用した人で、72週間で最大 約20.9% の体重減少が確認されました。
これは、体重100kgの人であれば20kg以上痩せる計算になり、肥満外科手術(胃の切除など)にも匹敵する効果と言われています。
ただし、効果が強い分、マンジャロの方が費用が高額になる傾向があります。
また、新しい薬であるため、長期的な使用実績という点ではオゼンピック(セマグルチド)に一日の長があります。
「とにかく最速で結果を出したい」「これまでのダイエット薬で効果を感じなかった」という方にはマンジャロ。
「費用を抑えつつ着実に痩せたい」「実績のある薬を選びたい」という方にはオゼンピックが選ばれています。
吐き気はいつまで続く?仕事への影響と対策
GLP-1受容体作動薬の最大のハードルが、投与初期に現れる「胃腸障害(吐き気、胃のむかつき、便秘、下痢)」です。
これから治療を始める方が一番不安に思う点でしょう。
私自身の体験、そして多くのユーザーへの取材に基づくと、この副作用には明確な傾向があります。
副作用が最も強く出るのは、「初めて投与した翌日〜翌々日」 と 「投与量を増やした直後」 です。
胃の動きが急激に抑制されるため、食べたものがずっと胃に残っているような感覚(胃もたれ)に襲われます。
ひどい場合は、つわりのような吐き気で食事が喉を通らなくなることもあります。
しかし、安心してください。
人間の体には「耐性」があるため、ほとんどの場合、2週間〜1ヶ月程度 で症状は治まっていきます。
仕事への影響を最小限にするために、以下の対策をおすすめしています。
- 週末に打つ:
金曜日の夜や土曜日に投与すれば、副作用のピークである翌日・翌々日を自宅でゆっくり過ごせます。 - 食事を小分けにする:
一度にたくさん食べると胃が張って気持ち悪くなります。1回の食事量を減らし、回数を増やすのがコツです。 - 脂っこいものを避ける:
消化に時間のかかる揚げ物や肉料理は、吐き気を誘発する最大の要因です。うどんやおかゆなど、消化の良いものを選びましょう。
実際の利用者の声(投与初期の経過例)
私が取材を通して伺った、オゼンピック使用者の典型的な経過をご紹介します。
「初めて打った翌朝は、まるで二日酔いのような強烈な胃のむかつきがあり、通勤電車で脂汗が出るほどでした。ただ、医師の指示で低用量から始めていたので、実際に戻してしまうことはありませんでした。
変化を感じたのは3週目頃です。体が薬に慣れて不快感が消えたのと同時に、大好きだったカツ丼が半分も食べられなくなりました。『我慢』ではなく『もう入らない』という感覚で、そこからは自然と体重が落ちていきました。」
このように、初期の辛さを乗り越えると、食欲の変化を実感できるケースが多いようです。
これに当てはまる人はNGです。安全のために確認してほしいこと
医療ダイエットは「薬」を使用する医療行為ですので、残念ながら治療を受けられない方もいらっしゃいます。
当院では、患者様の健康と安全を最優先するため、以下に該当する方への処方はお断りしております。
- 妊娠中、または妊娠している可能性がある方: 胎児への安全性が確立されていません。妊活中の方も、治療期間中は避妊をお願いしています。
- 授乳中の方: 母乳を通じて薬剤が赤ちゃんに移行するリスクがあります。
- 1型糖尿病の方: インスリン治療が不可欠なため、主治医の管理が必要です。
- 甲状腺髄様がんの既往がある方、またはその家系の方: 動物実験においてリスクが報告されています。
- 標準体重以下(BMI18.5未満)の方: 「痩せすぎ」による健康被害(摂食障害リスク等)を防ぐため、原則処方しておりません。
「自分は打てるのかな?」と迷われた場合は、自己判断せず、必ず医師の診察時にご相談ください。
精神科医が解説:なぜ「食べたくなくなる」のか?
GLP-1ダイエットの不思議な点は、「我慢している感覚」が少ないことです。
通常のダイエットでは、空腹との戦いが最大のストレスになりますが、なぜこの注射ではそれが起きないのでしょうか。
それは、胃だけでなく「脳」を変えているからです。
尾内 隆志 医師 (精神科専門医) の解説



私たちが『食べたい』と感じるとき、脳内では2つの回路が働いています。
一つはエネルギー不足を補うための純粋な食欲(恒常性維持)。
もう一つは、『美味しいものを食べて快感を得たい』という快楽的な食欲(報酬系)です。
現代人の肥満の多くは、後者の『報酬系』の過剰な働きによるものです。
ストレス発散のために甘いものを食べたり、お腹が空いていないのについスナック菓子に手が伸びたりするのはこのためです。
GLP-1受容体作動薬は、この脳の報酬系に直接作用し、食べ物を見たときの『食べたい!』という強い衝動(ドーパミンの反応)を抑制することが分かってきています。
いわば、食べ物に対する『執着』そのものを薄れさせるのです。
だからこそ、無理に我慢することなく、自然と食事量が減らせるわけですね。
これは精神医学的にも、過食衝動を抑える有効なアプローチの一つと言えます。
「なんで食べちゃうの?」心のクセから選ぶ、あなたに合う薬
「意志が弱いから痩せられない」と自分を責めていませんか?
実は、食べ過ぎてしまう原因(過食のタイプ)によって、脳の使い方が異なります。
精神科医の視点から、あなたの「心のクセ」に合ったお薬をご提案します。
Type A:ストレス発散タイプ → マンジャロ イライラするとドカ食いしてしまう、甘いものがやめられないタイプです。脳の「報酬系(快楽を感じる回路)」が暴走しているため、より強力に脳へ作用するマンジャロで、食べ物への執着そのものを断ち切るのが近道です。
Type B:ダラダラ食べタイプ → オゼンピック 特にお腹は空いていないのに、口寂しくて常に何か食べているタイプです。オゼンピックで胃の動きを穏やかにし、「少量で満腹」という感覚を脳に再学習させましょう。
Type C:見た目コンプレックスタイプ → スルリム 体重は普通だが、「顔が丸い」「二の腕が太い」と一部分だけを気に病んでいるタイプです。必要なのは減量ではなく「ボディラインの修正」です。無理な食事制限をせず、スルリムで気になる部分だけを整えるのが、心の健康にとっても正解です。
「部分痩せ」ならスルリム(脂肪溶解注射)。GLP-1との決定的な違い
続いて、部分痩せ治療として人気の「スルリム」について解説します。
SNSでは「打つだけで痩せる魔法の注射」のように宣伝されることもありますが、正しい知識を持たないと期待外れに終わります。
スルリムの正体と「脂肪破壊」のメカニズム
「スルリム」という名前は、実は薬剤の一般的な名称ではありません。
主に一部の美容クリニック(SBC湘南美容クリニックなど)で使用されている、脂肪溶解注射のメニュー名や製剤の通称です。
主成分は 「デオキシコール酸」 という胆汁酸の一種です。
これを皮下脂肪に注入すると、脂肪細胞の細胞膜が不安定になり、破壊されます。
破壊された脂肪細胞は老廃物(マクロファージによる貪食作用)として処理され、数週間かけて尿や汗とともに体外へ排出されます。
重要なのは、「脂肪細胞の数そのものを減らす」 という点です。
通常のダイエットでは脂肪細胞が「小さくなる」だけなので、食べ過ぎればまた膨らんでリバウンドしますが、スルリムで破壊された細胞は再生しません。
そのため、治療した部位はリバウンドしにくいという大きなメリットがあります。
しかし、注意点もあります。
スルリムを含む多くの脂肪溶解注射(BNLS Ultimate、カベリンなど)の多くは、日本では 「未承認医薬品」 です。
医師の個人輸入によって使用されており、万が一重篤な副作用が出た場合でも、国の救済制度(医薬品副作用被害救済制度)の対象外となるリスクがあることは知っておくべきでしょう。
顔・二の腕・お腹…効果が出やすい部位と回数


スルリムが得意とするのは、「狭い範囲の頑固な脂肪」 です。
具体的には、以下のような部位に効果的です。
- フェイスライン・二重アゴ:
最も人気のある部位です。脂肪が落ちることで輪郭がはっきりし、小顔効果が期待できます。 - 二の腕:
「振り袖肉」と呼ばれる落ちにくい脂肪に適しています。 - ひざ上・足首:
運動では落としにくい細かいパーツの脂肪を整えるのに向いています。
どこに打てば効くの?あなたの「痩せたい場所」別・正解マップ
「注射でお腹が痩せるなら、お腹に打つの?」 よくいただく質問ですが、使う薬によって打つべき場所は全く異なります。
以下のイメージを参考にしてください。
- 場所: お腹(へそ周り)、太ももの前側、二の腕の外側
- 理由: 皮下脂肪があり、自己注射がしやすい場所を選びます。どこに打っても成分が血液に乗って全身を巡り、脳に届くため、打った場所が痩せるわけではなく、全身が均一に痩せていきます。
- 場所: 気になる脂肪がある場所「そのもの」 (例:フェイスライン、アゴ下、二の腕の振袖部分、ワキ前のハミ肉、膝の上など)
- 理由: 薬剤が注入されたエリアの脂肪細胞だけを直接破壊します。打った場所だけがピンポイントで細くなります。
逆に向いていないのは、「内臓脂肪」 や 「太もも・お腹全体の広範囲な脂肪」 です。
これらを注射だけで落とそうとすると、膨大な量の薬剤が必要になり、体への負担も費用も非現実的になります。
また、スルリムは1回で劇的に変わるものではありません。
個人差はありますが、2〜3週間おきに3回〜5回 程度の施術を繰り返すことで、徐々に効果を実感できるのが一般的です。
ダウンタイムについても理解が必要です。
脂肪細胞を破壊する過程で炎症反応が起きるため、術後は注入部位が 腫れたり、熱を持ったり、筋肉痛のような痛み が出ることがあります。
特に顔に打つ場合は、翌日〜3日程度は「親知らずを抜いたとき」のように腫れる可能性があるため、大切な予定の直前は避けるのが無難です。
「スルリムで全身痩せ」が推奨されない理由
「注射で脂肪が壊れるなら、全身に打てば楽に痩せるのでは?」
そう考える方もいるかもしれませんが、それは医学的に推奨されません。
第一に、「毒性」 の問題です。
デオキシコール酸は脂肪細胞を壊すほど強力な成分ですので、一度に大量に体内に注入すると、腎臓や肝臓に過度な負担をかける可能性があります。
そのため、1回あたりの注入量には安全な上限が設けられています。
第二に、「費用対効果」 です。
お腹全体のような広い範囲をスルリムでカバーしようとすると、数十本単位の注射が必要になります。
1本数千円だとしても、トータルでは数十万円に膨れ上がり、しかも得られる変化は数ミリ〜数センチ程度です。
それならば、マンジャロやオゼンピックで全身の体脂肪率を下げた方が、はるかに効率的で安上がりですし、内臓脂肪まで落とすことができます。
尾内 隆志 医師 (精神科専門医) のアドバイス



美容医療において『木を見て森を見ず』の状態になるのは危険です。
全体的にふくよかな方が、二の腕だけを必死に細くしようとしても、全体のバランスが取れていなければ美しくは見えません。
また、自分の体の一部に過度に執着し、何度も何度も修正を繰り返そうとする心理は『身体醜形症(しんたいしゅうけいしょう)』という心の病気につながるリスクもあります。
『部分痩せ』は、あくまでダイエットの『仕上げ』として考えるのが健全です。
まずは健康的な体重を目指し、それでも残ってしまったコンプレックスに対して、局所治療を検討することをお勧めします。
【タイプ別診断】あなたに合うのはどっち?費用と期間のシミュレーション
ここまで、各薬剤の特性を見てきました。
ここでは、あなたの「お財布事情」と「目標」に合わせた、具体的なプランと費用のシミュレーションを提示します。
クリニックのサイトには「月々〇〇円〜」と安く書かれていても、実際には針代や診察料がかかり、総額が跳ね上がることがよくあります。
現実的な数字を見ていきましょう。
パターンA:とにかく大幅減量(-10kg目標)の人
- 推奨: マンジャロ (最初の3ヶ月)→ 目標達成後は オゼンピック または リベルサス (維持期)
- ターゲット: BMI27以上、過去にダイエットで何度も失敗している、結婚式など期限がある人。
このパターンの方は、効果が最強のマンジャロで一気に脂肪を燃焼させる「ロケットスタート」が有効です。
最初の3ヶ月で体重の10%〜15%を落とすことを目指します。
▼マンジャロ3ヶ月コースの総額シミュレーション
| 期間 | 薬剤・用量 | 費用目安 (月額) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月目 | マンジャロ 2.5mg | 25,000円 〜 35,000円 | 体を慣らす期間。効果はマイルド。 |
| 2ヶ月目 | マンジャロ 5.0mg | 45,000円 〜 60,000円 | 本格的な減量期。食欲が激減する。 |
| 3ヶ月目 | マンジャロ 5.0mg〜7.5mg | 45,000円 〜 70,000円 | 停滞期を突破するために増量する場合も。 |
| 別途費用 | 診察料・採血代・針代 | 5,000円 〜 10,000円 | 初診時や血液検査時に発生。 |
| 3ヶ月合計 | 約 120,000円 〜 175,000円 |
3ヶ月で約15万円前後という投資になりますが、パーソナルジムに通う(2ヶ月で20〜30万円)よりは安く、かつ運動の労力なしで確実な結果が見込めます。
パターンB:コスト重視でじっくり痩せたい(-5kg目標)の人
- 推奨: オゼンピック (低用量維持)または リベルサス (毎日の経口薬)
- ターゲット: 月の予算を3万円以内に抑えたい、急激に痩せてやつれるのは嫌、注射が少し怖い人。
オゼンピックはマンジャロに比べて薬剤費が安価です。
また、注射がどうしても怖い場合は、同じ成分(セマグルチド)を飲み薬にした「リベルサス」という選択肢もあります。
リベルサスであれば、1日1回飲むだけで済み、月額も1万円台〜2万円台で始められるクリニックが増えています。
- オゼンピックの場合: 月額 20,000円 〜 40,000円
- リベルサスの場合: 月額 10,000円 〜 25,000円
オンライン診療専門のクリニックを利用すれば、診察料が無料になったり、定期配送で割引が適用されたりするため、ランニングコストをさらに下げることが可能です。
パターンC:体重は標準だがラインを整えたい人
- 推奨: スルリム (気になる部位のみ)
- ターゲット: BMI22以下、二重アゴを無くしたい、ノースリーブを着たい人。
この場合は、月額制のサブスクリプションではなく、施術ごとの「都度払い」が基本になります。
予算のコントロールがしやすいのが特徴です。
- 薬剤量目安: 5cc 〜 10cc / 回
- 単価: 1ccあたり 3,000円 〜 5,000円
- 1回あたり: 15,000円 〜 50,000円
- 3回セット総額: 45,000円 〜 150,000円
クーポンやモニター割引を活用することで、費用を大幅に抑えられるケースが多いのも美容注射の特徴です。
医療ダイエットの費用トラブル回避|診察料・解約金・針代のチェック
クリニックの広告で「月々数千円〜」という安さを見て受診したものの、実際には「針代」「診察料」「必須のサプリメント代」などが加算され、予想外の高額ローンを組んでしまった……という相談が後を絶ちません。
精神科医として、患者様が経済的なストレスで心を痛めることは避けていただきたいと強く願っています。
クリニックを選ぶ際は、表示価格だけでなく、以下の「隠れコスト」が含まれているかを必ず確認してください。
- 注射針代・消毒綿代: 薬剤費とは別に、毎回数千円請求されるケースがあります。
- 初診料・再診料・血液検査代: 「お薬代」には含まれておらず、来院のたびに費用がかかる場合があります。
- 副作用対応薬(吐き気止めなど): 体調を崩した際、薬代が別途必要か、無料で処方してもらえるか確認しましょう。
- 解約金・違約金: 「定期コース」の場合、途中で体に合わなくてやめようとすると、高額な違約金を請求されるトラブルが多いです。「いつでも解約できるか」は最重要チェック項目です。
「安さ」だけで選ぶのではなく、これらの費用を隠さずに説明してくれる、誠実なクリニックを選ぶことが、結果的に安く安全にダイエットを成功させる近道です。
【精神科医が警告】「やめたらリバウンド」を防ぐためのメンタルケア
薬で痩せることは、科学の力を使えば比較的簡単です。
しかし、本当に難しいのは 「薬をやめた後もその体型をキープすること」 です。
ここからは、他のサイトではあまり語られない、精神科専門医・尾内先生による「心のリバウンド対策」について解説します。
「薬をやめたら食欲爆発」はなぜ起きる?
GLP-1ダイエットの失敗例で最も多いのが、目標体重に達したからといって急に薬をパタリとやめてしまい、その反動で食欲が爆発する(リバウンド)ケースです。
これは脳の仕組み上、ある意味で当然の反応です。
薬によって強力に抑えつけられていた食欲のダムが、堤防(薬)がなくなった瞬間に決壊するようなものです。
これを防ぐための鉄則は、「漸減(ぜんげん)」 です。
つまり、急にゼロにするのではなく、少しずつ薬の量を減らしたり、投与間隔を1週間から10日、2週間へと延ばしたりして、脳を「薬のない状態」にソフトランディングさせる必要があります。
自己判断で中断せず、必ず医師と相談しながら「出口戦略」を立ててください。
ダイエット依存と摂食障害のリスク
もう一つ、精神科医として危惧しているのが「依存」の問題です。
「薬を使っていないと太るのではないか」という恐怖心から、標準体重を大きく下回っているのに薬が手放せなくなる方がいます。
これは「痩せ姫」願望や摂食障害に近い心理状態です。
尾内 隆志 医師 (精神科専門医) の警告



『痩せれば幸せになれる』『痩せれば自信がつく』。
そう信じてダイエットを始める方は多いですが、体重計の数字が減ることだけを心の拠り所にしてしまうと、終わりのない迷路に迷い込みます。
薬への精神的な依存(Psychological Dependence)は、アルコールやギャンブルへの依存と同じようなメカニズムで起こり得ます。
もし、『薬がないと不安でパニックになる』『100gでも増えると許せない』といった感情が湧いてきたら、それは赤信号です。
美容内科だけでなく、心療内科や精神科で心のケアを並行して行うことが、あなたの人生を守るために必要かもしれません。
薬を使っている間に身につけるべき「太らない習慣」
厳しいことを言いますが、GLP-1注射は「一生打ち続ければそれで解決」というタイプの薬ではありません(糖尿病治療としての使用は別です)。
理想は、薬が効いている間に生活習慣を整え、最終的には薬を減量・中止しても体重を維持できる状態を目指すことです。
一方で、肥満症は高血圧や脂質異常症と同じ「慢性疾患」であり、場合によっては医師と相談しながら低用量で長期の維持療法を続ける選択肢もあります。
薬が効いている期間は、いわば「自転車の補助輪」がついている状態です。
この期間に、補助輪なしで走れるように練習をしておかなければ、補助輪を外した瞬間に転んでしまいます。
具体的には、薬のおかげで食欲が落ち着いている間に、以下の習慣を身につけてください。
- 「お腹が空いたら食べる」感覚を取り戻す:
時間だから食べるのではなく、胃からの空腹シグナルを感じてから食べる練習をする。 - ストレス解消を「食」以外に見つける:
イライラしたときに食べる以外の発散方法(入浴、運動、趣味、睡眠)を確保する。 - 一口30回噛む:
満腹中枢を刺激する基本的な技術を、薬のサポートがあるうちに体に覚え込ませる。
尾内 隆志 医師 (精神科専門医) のアドバイス



薬はあなたの『意志の弱さ』を責めるものではなく、悪い習慣を断ち切るための『きっかけ』をくれるものです。
脳の食欲回路が静かになっている今のうちに、ストレスと上手に向き合う方法を見直してみてください。
それこそが、一生リバウンドしないための最強のワクチンになります。
会社帰りでも大丈夫?初診から施術までのリアルな流れ
「病院に行くのは緊張する」「どれくらい時間がかかるの?」 そんな不安をお持ちの方のために、当院での実際の診療フローをご紹介します。
初回は丁寧な診察を行うため約30〜60分程度ですが、2回目以降は最短15分で終了するため、お仕事の合間や会社帰りに通われる方も多くいらっしゃいます。
カウンセリング・診察(30分〜)
専門のカウンセラーと医師が、あなたの悩みや生活習慣、目標体重を伺います。「とにかく短期間で痩せたい」「注射は怖い」など、本音をお話しください。
健康状態のチェック
必要に応じて体重測定や血液検査を行い、お薬を使っても体に問題がないかを確認します。安全第一で進めますのでご安心ください。
処方・施術(5分〜10分)
GLP-1の場合は打ち方の指導を、部分痩せ注射の場合は気になる部位への注入を行います。医師や看護師が優しくサポートします。
お会計・次回予約
お薬を受け取り、ご帰宅です。ダウンタイムの少ない治療ですので、そのままお買い物やお仕事に戻っていただけます。
ダイエット注射のよくある質問(FAQ)
最後に、カウンセリングでよく聞かれる質問に、Q&A形式で簡潔にお答えします。
痛くないですか?自分で打つのが怖いです。
ほとんど痛みはありません。
マンジャロやオゼンピックの注射針は、髪の毛ほどの細さ(マイクロニードル)です。
採血や予防接種の針とは比べ物にならないほど細く、刺した瞬間に「チクッ」とする程度か、人によっては全く何も感じないこともあります。
特にマンジャロは「オートインジェクター」といって、肌に当ててボタンを押すだけで自動的に針が出てすぐに戻る仕組みになっているため、針を見るのが怖い方でも安心して使用できます。
「髪の毛より細い」針の秘密 実際に使用している針は「マイクロニードル」と呼ばれ、太さはわずか0.2mm程度。
これは髪の毛2本分とほぼ同じ細さです。
蚊に刺されたときに気づかないのと同様に、皮膚の痛点(痛みを感じるセンサー)を避けて滑り込むため、刺した瞬間の感覚がほとんどありません。
それでも不安な方には、以下のオプションもご用意しています。
- 冷却アイシング: 打つ直前に皮膚を冷やし、感覚を鈍らせます(無料)。
- 表面麻酔クリーム: 塗る麻酔で、皮膚の感覚を一時的にオフにします(※スルリムの場合推奨)。
痛みがストレスになってはダイエットも続きません。
痛みに弱い方は、遠慮なくカウンセリング時にお申し出ください。
保険は適用されますか?
美容・ダイエット目的の場合は、原則として100%自費診療(自由診療)です。
マンジャロやオゼンピックは、従来どおり2型糖尿病の治療薬として保険適用されています。
また、同じ有効成分を用いた肥満症治療薬として、セマグルチド製剤「ウゴービ」やチルゼパチド製剤「ゼップバウンド」が2024年以降、日本でも保険診療で使用できるようになっています。
ただし、これらが保険で使えるのは、BMIや合併症などの厳しい条件を満たし「肥満症」と診断された方に限られ、専門の医療機関での治療が前提です。単に「痩せたい」「美容目的で細くなりたい」というケースでは、マンジャロ・オゼンピックを含めGLP-1製剤は健康保険の対象外であり、全額自己負担となります。
無理に保険を使おうとして虚偽の申告をすることは詐欺罪に当たる可能性があるため、絶対にやめましょう。
個人輸入の通販サイトで買ってもいいですか?
絶対にやめてください。命に関わる危険があります。
インターネット上には、海外から安く薬を輸入できるサイトが存在しますが、リスクが高すぎます。
- 偽造品の横行: 中身がただの水だったり、不純物が混ざっていたりするケースが報告されています。
- 温度管理の不備: GLP-1製剤は冷蔵保存が必須ですが、配送途中で常温放置され、成分が変質している可能性があります。
- 救済制度がない: 万が一、重大な健康被害が出ても、公的な救済は一切受けられません。
必ず、医師の診察と管理下で処方された正規の薬剤を使用してください。
尾内 隆志 医師 (精神科専門医) の補足



医療用医薬品は、医師が患者さんの体調や既往歴(過去の病気)を把握した上で、リスクとベネフィットを天秤にかけて処方するものです。
自己判断での個人輸入は、ブレーキの効かない車に乗るようなもの。
自身の体を実験台にしないよう、専門家として強く警告します。
治療中、お酒は飲んでもいいですか?
適量であれば問題ありませんが、注意が必要です。
GLP-1受容体作動薬を使用中は、食事量が減るため、空腹で飲酒するといつもより酔いやすくなったり、低血糖になりやすくなったりします。
また、アルコール自体が高カロリーですので、ダイエット効果を高めたい期間は控えめにするのがおすすめです。
運動もしないといけませんか?
必ずしも必要ではありませんが、軽い運動をおすすめします。
注射の効果で食事量が減ると、脂肪と一緒に筋肉も落ちてしまいがちです。
筋肉が減ると代謝が落ちてリバウンドしやすくなるため、エスカレーターではなく階段を使う、寝る前にストレッチをするなど、無理のない範囲で体を動かすと、より美しく引き締まります。
低用量ピルを飲んでいますが、併用できますか?
基本的には併用可能です。
ただし、GLP-1受容体作動薬の作用で胃の動きがゆっくりになるため、ピルの成分の吸収に多少影響が出る可能性がゼロではありません。
念のため、処方時に医師へ服用中のピルの種類をお伝えください。
飲み合わせをしっかり確認いたします。
まとめ:目的と予算に合わせて、後悔しない選択を
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
マンジャロ、オゼンピック、そしてスルリム。
それぞれの違いと、自分に合う選択肢が見えてきたでしょうか。
要点を整理します。
- 10kg以上痩せたい本気の方 → マンジャロ (最強の効果、ただし高価)
- コストを抑えて着実に痩せたい方 → オゼンピック または リベルサス
- 体重は減らさず、部分的に細くしたい方 → スルリム (脂肪溶解注射)
ダイエットは、単に体重を減らす作業ではありません。
自信を取り戻し、毎日を前向きに過ごすための自己投資です。
しかし、焦りは禁物です。
安さだけで怪しいクリニックを選んだり、効果を急いで薬を乱用したりすることは、あなたの体と心を傷つけることになります。
まずは、信頼できるクリニックのカウンセリングを受け、医師に自分の悩みと予算を正直に相談することから始めてみてください。
あなたが、心身ともに健康で美しい自分に出会えることを、心から応援しています。
▼クリニック選びの最終チェックリスト
このリストをスクリーンショットして、クリニック選びの際に活用してください。
- [ ] 医師の診察が必ずあるか? (カウンセラーだけの説明はNG)
- [ ] 副作用(吐き気など)が出た時の対応窓口・処方薬はあるか?
- [ ] 定期購入の「解約縛り」や高額な解約金はないか?
- [ ] マンジャロやオゼンピックなど、目的に合った薬剤の取り扱いがあるか?
- [ ] 血液検査を行っているか? (安全管理の指標になります)
- [ ] 「未承認医薬品」であることのリスク説明が文書であるか?

