【精神科専門医監修】リベルサスの副作用はいつまで?吐き気・うつ・眠気の対処法と危険な初期症状
【精神科専門医監修】リベルサスの副作用はいつまで?吐き気・うつ・眠気の対処法と危険な初期症状

【精神科専門医監修】リベルサスの副作用はいつまで?吐き気・うつ・眠気の対処法と危険な初期症状

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この記事の監修者
尾内 隆志 (おない たかし) Takashi Onai, M.D.
  • 資格:公益社団法人 日本精神神経学会 精神科専門医
  • 所属・役職:医療法人社団青雲会 北野台病院 理事長
  • 専門分野:臨床精神科医学一般、EDに伴う心理的側面
  • 医籍登録:医師免許取得:平成12年5月(医籍登録番号:409881)
学歴・職歴(要点を表示)
【学歴】
郁文館高等学校(平成3年4月〜平成6年3月)
聖マリアンナ医科大学 医学部医学科(平成6年4月〜平成12年3月)

【職歴】
東京大学医学部附属病院 精神神経科(平成12年4月〜平成13年5月)
針生ヶ丘病院 精神科(平成13年6月〜平成15年5月)
初石病院 精神科(平成15年6月〜平成17年5月)
手賀沼病院 精神科(平成17年6月〜平成18年12月)

理事長/院長よりご挨拶:
昭和32年の開院以来、地域の皆様に支えられ半世紀をこえる歴史を重ねてまいりました。社会や生活スタイルの変化に伴い精神医療も大きく変化しています。私たちは優しく開かれた医療をめざし、地域に根ざした活動を推進し、患者様・ご家族に安心いただけるホスピタルづくりに尽力してまいります。

リベルサスの服用を始めて数日、期待していたダイエット効果よりも先に、想像以上の吐き気やだるさに襲われていませんか?

「いつまでこの気持ち悪さは続くのだろう」

「もしかして、副作用でうつっぽくなっている?」

そんな不安を抱えながら、スマホで検索を続けている方も多いはずです。

結論からお伝えすると、リベルサスの副作用(主に吐き気や胃腸障害)は、服用開始後1〜2週間ほどで軽くなり始め、3〜4週でかなり落ち着くケースが多いです(※個人差があります)。

しかし、中には「気分の落ち込み(うつ)」や「強い眠気」を感じる方もいらっしゃいます。

これらには、単なる薬の副作用だけでなく、急激な血糖変化や心理的ストレスが隠れている場合があるのです。

この記事では、精神科専門医であり北野台病院理事長の尾内隆志医師監修のもと、以下の3点を中心に徹底解説します。

  • 【経過】 吐き気や胃のむかつきが治まるまでの具体的な期間目安と、時期ごとの体の変化
  • 【メンタル】 「リベルサスうつ」は本当にあるのか?精神科医が解説する気分の変化と眠気の正体
  • 【対処法】 辛い副作用を乗り切るための食事の工夫・市販薬の選び方・絶対に見逃してはいけない危険なサイン

今、まさに副作用の辛さと戦っているあなたへ。 

『このまま飲み続けて本当に大丈夫?』それとも『もう止めた方がいい?』 その迷いを解消するために、医学的な判断基準と、少しでも症状を和らげるための具体的な知恵をまとめました。

辛い症状は、体が変わろうとしているサインでもあります。

まずは深呼吸をして、今の自分の状態を一緒にチェックしていきましょう。


目次

リベルサスの副作用はいつからいつまで?【時期別・症状経過マップ】

「この吐き気は、いつか終わるものなの?」

これが、リベルサスを始めたばかりの方が抱く最大の疑問であり、不安でしょう。

結論から申し上げますと、副作用のピークは「服用開始直後から2週間目まで」であることがほとんどです。

多くの方は、開始1〜2週間ほどで症状が和らぎはじめ、3〜4週かけて日常生活に支障がないレベルまで落ち着いていきます(※改善のタイミングには個人差があります)。

ここでは、副作用が起こるメカニズムと、時期ごとの詳細な経過について解説します。

見通しを持つことで、不安は大きく軽減されるはずです。

リベルサス副作用の時期別・症状経過マップ(グラフ)。服用開始から1〜2週間目が吐き気・だるさの「忍耐のピーク期」。3〜4週間目の「順応期」から体が楽になり、2ヶ月目以降は「安定期」に入ることを示す。

【結論】副作用のピークは服用開始〜2週間目まで

リベルサスの副作用、特に吐き気や胃のむかつき、下痢などの消化器症状は、服用初期に集中して現れます。

具体的な経過の目安は以下の通りです。

■ 服用1日目〜3日目(身体的ショック期)

初めて薬が体内に入り、GLP-1受容体が刺激されることで、最も強く反応が出る時期です。

「二日酔いのようなムカムカ」「船酔いのようなめまい」を感じることが多く、朝起きるのが辛いと感じる方もいます。

■ 服用1週間目〜2週間目(忍耐のピーク期)

体内の薬物濃度が安定してくる一方で、胃腸への負担が蓄積し、食欲不振が顕著になります。

「食べ物を見るだけで気持ち悪い」と感じることもありますが、これは薬が効いている証拠でもあります。

この時期が一番の正念場です。

■ 服用3週間目〜4週間目(順応期)

体が薬の作用に慣れ始めます(耐性の獲得)。

吐き気は徐々に「お腹が空かない感覚」へと変わり、不快感が薄れていきます。

日常生活に支障がないレベルまで回復する方が大半です。

■ 服用2ヶ月目以降(安定期)

3mgから7mg、14mgへと増量しても、初期ほどの強い副作用は出にくくなります。

もし1ヶ月を過ぎても嘔吐を繰り返すような強い症状が続く場合は、体に合っていない可能性があるため、医師への相談が必要です。

なぜ起こる?GLP-1受容体作動薬が胃腸に効く仕組み

そもそも、なぜリベルサスを飲むと胃が気持ち悪くなるのでしょうか?

これは「副作用」というよりも、リベルサスの「主作用(痩せるメカニズム)」そのものが関係しています。

リベルサスの有効成分であるセマグルチドには、「胃内容排出遅延作用」という働きがあります。

簡単に言えば、「胃に入った食べ物を、腸へ送り出す動きをわざとゆっくりにする」という作用です。

通常であれば数時間で消化される食べ物が、長く胃の中に留まることになります。

これにより、少量の食事でも満腹感が持続し、食欲が抑えられるわけです。

しかし、胃の中に食べ物が残り続けることは、見方を変えれば「常に胃もたれしている状態」や「消化不良の状態」を人工的に作っているのと同じです。

そのため、体がこの新しい胃の動きに慣れるまでは、ムカムカや膨満感を感じてしまうのです。

「気持ち悪いのは、薬がしっかり胃に効いている証拠」と捉えることで、少し気持ちが楽になるかもしれません。

3mg・7mg・14mg 増量時の副作用の波

リベルサスは通常、3mgから開始し、4週間後に7mg、さらに効果が不十分な場合は14mgへと段階的に増量していきます。

ここで知っておいていただきたいのが、「増量のタイミングで、再び副作用の波が来ることがある」という点です。

3mgで体が慣れていても、7mgに増量した直後の数日間は、再び吐き気や胃痛が現れることがあります。

しかし、ご安心ください。

この「2回目の波」は、初回(3mg開始時)に比べると軽く、期間も短い(数日〜1週間程度)傾向にあります。

体が既に成分自体には慣れているため、適応が早いのです。

増量を予定している時期は、大切な仕事の予定を調整したり、消化の良い食事を準備しておいたりと、事前の対策をしておくことをお勧めします。

尾内医師のアドバイス

尾内 医師

『薬が合わないのでは』と不安になる時期ですが、多くの場合は体が新しい環境に適応しようとしている過程です。
初期の不快感は、体が『今は食べる必要がない』と学習している期間とも言えます。
ただし、あまりに辛い場合は、身体的なストレスから自律神経が乱れ、メンタルにも悪影響を及ぼすことがあります。
決して無理はせず、『辛い時は休む』『増量を急がない』という選択肢を主治医と相談してください。


「うつ」「眠気」は副作用?精神科専門医が教えるメンタルへの影響

「リベルサスを飲み始めてから、なんだかやる気が出ない」

「夜しっかり寝ているはずなのに、昼間に強い眠気がある」

ネット上では「リベルサスうつ」という言葉も見かけますが、医学的に確立した病名ではなく、添付文書上も「うつ」を一般的な副作用として明確に位置づけているわけではありません。

現時点で、セマグルチドが直接うつ病を引き起こす因果関係は確認されていません

では、なぜこのような精神的な不調を感じる方が多いのでしょうか?

ここでは、精神科専門医の視点から、GLP-1受容体作動薬とメンタルヘルスの関係について、深く切り込んで解説します。

単なる副作用リストには載っていない、心と体のつながりを理解しましょう。

精神科医が解説するメンタル不調のメカニズム(フローチャート)。急激な食事制限・糖質不足が原因となり、脳のエネルギー不足や自律神経の乱れを引き起こし、結果として「気分の落ち込み(うつ状態)」や「強い眠気・だるさ」の症状が現れる流れを図解。医師のコメント付き。

「リベルサスうつ」の正体とは?因果関係と対策

医学的に見て、リベルサスの成分(セマグルチド)が直接的に脳の神経に作用し、うつ病を引き起こすといった因果関係を示す確立したエビデンスは現時点で確認されていません

しかし、臨床の現場やユーザーの声として「気分の落ち込み」を訴える方がいるのは事実です。

これには、大きく分けて2つの要因が考えられます。

1. 急激な糖質制限による「脳のエネルギー不足」

リベルサスによって食欲がなくなると、炭水化物(糖質)の摂取量が極端に減ることがあります。

脳はブドウ糖を主なエネルギー源としています。

極度な糖質不足に陥ると、脳の機能が低下し、集中力がなくなったり、思考がまとまらなくなったり、気分が塞ぎ込みやすくなります。

これを「うつ」と感じてしまうケースが多いのです。

2. 「食べる楽しみ」の喪失によるストレス

私たちにとって、食事は単なる栄養補給ではなく、大きなストレス解消法の一つです。

「美味しいものを食べて幸せ」と感じる時、脳内ではドーパミンやセロトニンといった幸福物質が分泌されています。

リベルサスによって「食べたくない」「食べても美味しくない」という状態になると、これまで食事で得ていた快楽報酬が得られなくなります。

この急激な生活変化と楽しみの喪失が、一時的な抑うつ状態(適応障害に近い状態)を招くことがあるのです。

尾内医師の解説

尾内 医師

医学的にリベルサスが直接うつを引き起こす頻度は低いとされていますが、間接的な要因は無視できません。
特に注意したいのが、急激なダイエットによる『低栄養』と『心理的剥奪感』です。
『痩せたい』という気持ちが強すぎて、無理に食事を抜いていませんか?
脳のエネルギーが枯渇すれば、誰でもネガティブな思考になりやすくなります。
また、好きなものを食べられないストレスは、想像以上に心に負担をかけます。
『今は薬のせいで気分が落ちているだけ』と客観的に捉え、最低限の糖質は摂取するように心がけてください。

異常な「眠気」や「だるさ」の原因と対処法

「うつ」と同様に相談が多いのが、「異常な眠気」や「だるさ(倦怠感)」です。

ただし、眠気は添付文書上で代表的な副作用として明確に挙げられている症状ではなく、必ず起こるものではありません

仕事中に意識が飛びそうになったり、休日に一日中寝てしまったりする方もいます。

この原因として最も疑われるのが、「低血糖」と「自律神経の乱れ」です。

■ 隠れ低血糖による眠気

糖尿病の治療薬であるリベルサスは、血糖値を下げる作用があります。

健康な方がダイエット目的で使用する場合でも、食事量が少なすぎたり、空腹時間が長すぎたりすると、血糖値が必要以上に下がってしまうことがあります。

血糖値が下がると、脳はエネルギーを節約しようとして活動レベルを下げ、「眠気」や「生あくび」としてサインを出します。

特に、昼食前や夕方など、空腹時に強い眠気が来る場合は要注意です。

■ ダイエットによる自律神経の乱れ

急激な体重減少や食事制限は、体にとって「危機的状況」と認識されます。

すると、体はエネルギー消費を抑えようとして「休息モード(副交感神経優位)」を強要したり、逆にストレスに対抗しようとして交感神経を酷使したりします。

この自律神経のスイッチの切り替えがうまくいかなくなると、夜眠れない(不眠)のに昼間眠い、といった睡眠リズムの乱れが生じます。

尾内医師のアドバイス

尾内 医師

ダイエット中は『痩せなきゃ』というプレッシャーで交感神経が優位になりがちですが、その反動で強い眠気が出ることがあります。
また、夜間の低血糖(夜間低血糖)が起きていると、睡眠の質が著しく低下し、朝起きられない、昼間眠いといった症状に繋がります。
寝る前にほんの少し、消化の良い糖質(ハチミツを溶かしたお湯など)を摂ることで、睡眠の質が改善する場合もあります。

服用を中止し、精神科・心療内科を受診すべきサイン

副作用としての「気分の変化」は、多くの場合、体が慣れるとともに改善します。

しかし、以下のような症状が現れた場合は、直ちに服用を中止し、精神科や心療内科、または処方医に相談してください。

これらは単なる副作用の範囲を超えており、専門的なケアが必要です。

  • 「消えてしまいたい」「死にたい」という希死念慮(きしねんりょ)が現れた場合
  • 趣味や好きなことに対しても全く興味が湧かなくなった場合
  • 不眠が続き、日常生活に支障が出ている場合
  • 理由もなく涙が出る、感情のコントロールが効かない場合
  • 幻覚や妄想が見える場合(極めて稀ですが、低血糖や脱水が重篤化した場合に起こり得ます)

心の健康を犠牲にしてまで続けるべきダイエットはありません。

自分の心の声に耳を傾け、SOSを見逃さないようにしてください。


【部位別】よくある副作用とセルフケア(胃腸・頭痛・便秘)

ここでは、リベルサス服用中に頻発する「胃腸トラブル」や「頭痛」などの身体症状について、ご自宅ですぐに実践できる具体的なセルフケア方法をご紹介します。

病院に行くほどではないけれど、地味に辛い。

そんな症状を少しでも和らげ、日常生活を快適に過ごすための知恵です。

吐き気・胃もたれ:食事のコツと市販薬の併用

最も多い「吐き気」や「胃もたれ」は、食事の摂り方を工夫することで大幅に軽減できます。

ポイントは「分食(ぶんしょく)」と「消化への配慮」です。

■ 1回量を減らし、回数を増やす(分食)

胃の動きが遅くなっているため、一度に大量の食べ物が入ってくると、胃が処理しきれずにオーバーフローしてしまいます。

1日3食にこだわらず、1回の食事量を半分にし、その分を1日5〜6回に分けて食べるようにしましょう。

常に胃の中に「少しだけ入っている」状態を保つことで、空腹時のむかつきも、満腹時の吐き気も防げます。

■ 吐き気が辛い時の食事選び

「何を食べればいいかわからない」という時は、以下のリストを参考にしてください。

消化に良いOKフードの写真(おかゆ、うどん、茶碗蒸し、バナナ)と、ゼリー飲料活用術のポイント(冷やしすぎない常温で、10分おきに少しずつ飲む)をまとめた画像。

▼【保存版】副作用が出やすいNG食品とおすすめ食品リスト

スクロールできます
カテゴリ控えるべきNG食品(胃に負担)おすすめOK食品(消化に良い)
炭水化物ラーメン、チャーハン、玄米、全粒粉パン、さつまいも(食物繊維が多いもの)おかゆ、うどん(煮込み)、食パン(耳なし)、にゅうめん
タンパク質脂身の多い肉(バラ肉、カルビ)、揚げ物全般、加工肉(ソーセージ)、イカ・タコ鶏ささみ、白身魚、豆腐、半熟卵、茶碗蒸し、プロテイン(飲みやすいもの)
野菜・果物ごぼう、たけのこ、きのこ類、海藻類、柑橘類(酸味が強いもの)大根(煮たもの)、ほうれん草(葉先)、バナナ、りんご(すりおろし)
その他辛い料理、カフェイン、アルコール、炭酸飲料、冷たすぎる飲み物常温の水、白湯、ゼリー飲料、ヨーグルト、スープ

■ 市販薬の活用

吐き気が強い場合は、自己判断で我慢せず、医師または薬剤師に相談の上で市販の胃薬を検討しましょう。

なお、リベルサスの作用と相性を踏まえて薬剤選択が必要です。

お勧めなのは、「漢方薬(六君子湯、半夏瀉心湯など)」や、胃粘膜を保護するタイプの胃薬です。

一方で、胃の動きを活発にしすぎるタイプの薬は、リベルサスの「胃排出遅延作用」と逆の働きをしてしまう可能性があるため、薬剤師に「GLP-1受容体作動薬を服用中である」と伝えて相談するのがベストです。

多くの経験者が推奨する「ゼリー飲料」活用術

固形物が喉を通らない時に「救世主だった」という声が多いのが、エネルギー補給タイプのゼリー飲料です。

胃への負担を減らすポイントは、「冷やしすぎないこと」と「ちびちび飲むこと」

キンキンに冷えたものは胃を刺激してしまうため、冷蔵庫から出して少し常温に戻したものを、10分おきに一口ずつゆっくり飲むのがコツです。

特に「マスカット味」や「グレープフルーツ味」などのさっぱり系が、ムカムカする時でも比較的飲みやすいようです。

下痢・便秘:水分摂取と整腸剤の選び方

リベルサス服用中は、腸内環境も変化しやすくなります。

「便秘」になる方もいれば、「下痢」が続く方もおり、個人差が大きいのが特徴です。

■ 便秘への対処法

食事量が減ることで、便の材料が不足し、便秘になりがちです。

また、水分不足も大敵です。

  • 水分を意識的に摂る: 1日1.5〜2リットルを目安に、こまめに水を飲みましょう。
  • マグネシウム製剤: 習慣性になりにくい酸化マグネシウムなどの便秘薬は、比較的安全に使用できます。
  • 水溶性食物繊維: 海藻やオクラなどが苦手でなければ、サプリメントで補うのも有効です。

■ 下痢への対処法

逆に下痢が続く場合は、脱水症状に注意が必要です。

  • 整腸剤: ビオフェルミンなどの乳酸菌製剤は、腸内環境を整えるため、常用しても問題ありません。
  • 刺激物を避ける: カフェインや香辛料は下痢を悪化させます。
  • 止瀉薬(下痢止め): 感染症でない限り使用可能ですが、長引く場合は医師に相談してください。

低血糖症状(冷や汗・手の震え):ブドウ糖の携帯

リベルサスは単独では低血糖を起こしにくい薬ですが、食事量が極端に減っていたり、激しい運動をした後などはリスクが高まります。

以下のような症状が出たら、すぐに「低血糖」を疑ってください。

  • 異常な空腹感
  • 冷や汗
  • 手の震え、動悸
  • ふらつき、めまい
  • 顔面蒼白

【対処法】

すぐに「ブドウ糖」を10g程度、または砂糖を含むジュース(150〜200ml)を摂取してください。

ダイエット甘味料(カロリーゼロのもの)では血糖値が上がらないため、必ず「砂糖・ブドウ糖」が入っているものを選びましょう。

外出時は、薬局で売っているブドウ糖タブレットや、ラムネ菓子をカバンに常備しておくと安心です。


危険な副作用は?肝機能・膵炎・目の異常リスクをチェック

ここまでは「よくある副作用」について解説してきましたが、頻度は低いものの、見逃してはいけない「重篤な副作用」も存在します。

特にオンライン診療などで手軽に入手した場合、血液検査がおろそかになりがちです。

自分の身を守るために、以下のリスクと初期症状を必ず頭に入れておいてください。

見逃してはいけない危険なサインの警告画像。人体図と共に、希死念慮、急な視力低下(網膜症疑い)、黄疸(肝機能疑い)、突き抜ける激痛(膵炎疑い)の症状を示し、「これらが出たら直ちに服用を中止し、受診してください」と強調している。

頻度不明だが重篤:急性膵炎の兆候(背中の激痛)

リベルサスを含むGLP-1受容体作動薬の重大な副作用として、「急性膵炎(きゅうせいすいえん)」が報告されています。

膵臓(すいぞう)に急激な炎症が起こる病気で、最悪の場合は命に関わります。

【危険なサイン】
  • 激しい腹痛(みぞおちから左側にかけて)
  • 背中に突き抜けるような痛み
  • 嘔吐しても痛みが治まらない
  • 発熱

通常の副作用による「胃痛」とは異なり、「うずくまるほどの痛み」「背中まで痛い」のが特徴です。

このような症状が出たら、夜間でも救急外来を受診してください。

肝機能障害と黄疸:定期的な血液検査の重要性

肝臓や胆道(胆のうなど)に障害が現れることがあります。

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、初期には自覚症状がほとんどありません。

症状が出た時にはかなり進行していることがあるため、注意が必要です。

【危険なサイン】
  • 白目や皮膚が黄色くなる(黄疸)
  • 尿の色が濃い茶色になる
  • 全身のかゆみ
  • 極度の倦怠感

これらの症状に気づく前に、月に1回、少なくとも数ヶ月に1回は医療機関で血液検査(AST, ALT, γ-GTPなど)を受けることを強く推奨します。

糖尿病網膜症(目):視力低下を感じたらすぐ眼科へ

糖尿病の持病がある方がリベルサスを使用する場合、急激に血糖値が改善することで、一時的に「糖尿病網膜症」が悪化することがあります。

これを「治療初期の悪化」と呼びます。

【危険なサイン】
  • 視力が急に落ちた
  • 視野が欠ける、ぼやける
  • 目の前に蚊が飛んでいるようなものが見える(飛蚊症)

ダイエット目的の健康な方ではリスクは低いとされていますが、元々血糖値が高めだった方は注意が必要です。

目に違和感を感じたら、すぐに眼科を受診してください。

尾内医師のアドバイス

尾内 医師

リベルサスは非常に有用な薬ですが、魔法の薬ではありません。
特に個人輸入代行サイトなどで購入し、医師の管理下になく自己判断で服用している方は、こうした臓器障害の発見が遅れるリスクが非常に高く、大変危険です。
『自分は大丈夫』と思わず、必ず定期的な血液検査を行ってくれるクリニック、あるいはかかりつけ医と連携しながら治療を進めてください。
安全があってこそのダイエットです。


リベルサスの副作用Q&A【専門家が回答】

ここでは、リベルサス服用中の細かな疑問や、生活の中での困りごとについて、Q&A形式で回答します。

副作用がない=効果がないということですか?

いいえ、副作用の有無とダイエット効果は比例しません。

副作用が全くなくても、しっかり痩せていく方はたくさんいらっしゃいます。

逆に、副作用が強すぎて食事が摂れず痩せたとしても、それは「やつれた」だけであり、リバウンドのリスクが高い不健康な状態です。

「気持ち悪くならないから効いていない」と焦って、自己判断で薬を増量するのは絶対にやめてください。

仕事中や運転中に眠くなったらどうすればいい?

事故につながる恐れがあるため、無理な運転や危険作業は避けるべきです。

もしどうしても眠気が強い場合は、一度服用を中止するか、服用時間を変更する(例:休日の前日に飲むなど)相談を医師としてください。

また、低血糖による眠気の可能性もあるため、ブドウ糖を摂取して様子を見るのも一つの手です。

生理不順や肌荒れが起こることはありますか?

間接的に起こる可能性があります。

リベルサスそのものの副作用というよりは、急激な体重減少や栄養不足によって、ホルモンバランスが乱れることが原因と考えられます。

極端なカロリー制限をしていないか見直し、ビタミンやミネラル、良質なタンパク質を意識して摂るようにしましょう。

3ヶ月以上生理が止まるような場合は、婦人科の受診をお勧めします。

妊娠中・授乳中に飲んでしまった場合は?

直ちに服用を中止し、医師に相談してください。

リベルサスは、妊娠中および授乳中の安全性は確立されておらず、動物実験では胎児への悪影響が報告されています。

妊活を始める場合は、体内から薬が完全に抜けるまで、少なくとも2ヶ月前には服用を中止する必要があります。


まとめ:副作用は「体の慣らし期間」。辛い時は医師に相談を

リベルサスの副作用について、期間や対処法、メンタルへの影響まで解説してきました。

今のその辛さは、薬が効いている証拠であると同時に、体が新しい環境に適応しようと頑張っている「慣らし期間」でもあります。

最後に、この記事の要点をチェックリストにまとめました。

今の自分の状態を整理し、次の行動を決める参考にしてください。

▼【保存版】症状別・緊急度チェックリスト

スクロールできます
症状判断おすすめの行動
軽い吐き気・胃もたれ様子見OK分食にする、消化の良いものを食べる、水分を摂る。2〜3週間で軽快します。
便秘・下痢様子見OK整腸剤を活用する、水分を多めに摂る。
強い眠気・だるさ注意運転を控える。低血糖(空腹)でないか確認し、ブドウ糖を摂ってみる。
気分の落ち込み・イライラ注意無理な食事制限を緩める。糖質を少し摂る。症状が続くなら医師へ相談。
翌日まで続く嘔吐・激痛受診推奨我慢せず、処方医に連絡するか受診する。
背中の激痛・黄疸・自殺念慮緊急直ちに服用を中止し、救急外来または専門医を受診する。

副作用は一人で抱え込むと、不安でより一層辛く感じてしまうものです。

「これくらいで相談してもいいのかな?」と迷う必要はありません。

痛みや不調は、体からのSOSです。

まずは専門家に相談し、あなたにとって安全で、心にも体にも優しいダイエットの方法を一緒に見つけていきましょう。

尾内医師のアドバイス

尾内 医師

副作用は辛いものですが、正しい知識と見通しがあれば、過度に恐れる必要はありません。
しかし、メンタルの不調や我慢できない身体症状を感じたら、それは『無理をしている』というサインです。
決して一人で我慢せず、主治医や私たち専門家を頼ってください。
あなたの健康と幸せが、ダイエットの何よりの目標であることを忘れないでくださいね。


参考文献・情報源

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